鍵が掛かってる?
疲れてる筈なのに…
「お疲れ!」
「お疲れ様でした!」
奴と別れ自宅へ真っ直ぐ戻る、日曜は家で待ってるから。
店の前の道路を渡り自宅前に続く階段を駆け下りる、ドアのノブに手を掛け回すが鍵が掛かって開かない?、勿論家の前にマー坊も停まってるし…。
「買い物に出も出たのかな?」
とは言っても近所のスーパーは未だ開く時間じゃ無いし、此の時間で近所で空いてるのは家の店位だし…、とは言っても此処で突っ立ってる訳にも行かない。
何時もは帰る時間が決まってるので出迎えが有る筈なんだが…、鍵を取り出して開錠してドアを開けると…。
「ただいま…、そう言う事かゴメンな…」
炬燵の上には朝食?、嫌夕食か、食事の準備がされて炬燵に突っ伏してる美澄…。
「早朝から待ってて呉れたんだな、仕事で疲れてるんだろうに…」
厚手のブラウス、腰から下のラインがハッキリ出るジーンズ、そして支度した時の侭でエプロンも着けた侭、一寸休もうとしたんだろうな、未だ仕事も試用期間だから疲れも溜ってるだろうし…。
「美澄起きて、風邪引くよ?」
「もう一寸だけ…」
「チャンと布団で寝よう?」
「…うん…」
起きる気配が無いな…、かと言って此の侭にもして置けないし。
頭を支えて腕に靠れさせても相変わらず熟睡してる、其の侭抱き上げる、所謂お姫様抱っこと言うヤツ、隣の部屋には俺が何時でも寝れる様に支度は済んでる、申し訳ない気持ちが一杯…。
行儀が悪いけど足で掛け布団を捲り、そっと布団の上に降ろして寝かして上げる。
「う~ん…」
寝かして上げたら身じろぎしてる、外行きの服じゃ寝辛いのは仕方ないか?、ブラウスの袖口と首周りのボタンを二つ外して上げると大分楽に為った様で、ジーンズは如何するかと考えて居ると脚をバタつかせてるのでジーンズも脱がせて上げるとやっと大人しく成り静かな寝息が聞こえて来る。
「よっぽど疲れてたんだな…」
起きる気配が全く無い、こんなに疲れてるのに時間作って、自分の眠る時間も使って此処に来てるんだよな、長い付き合いなら解らんでも無いが未だ僅かな時間…。
「そんなに焦ってるのか?」
確かに其れも有るだろうが此処迄入れ込んでるのは何でだ?、もう少し付き合ってからでも良かったんじゃ無いのか?。
判らん事が多すぎる、そう言えば美澄の事は何でこうなったのかのあの日からの事しか解らない、どんな家庭環境で育っのか、家族構成すらも知らないんだ。
用意された食事を済ませ汚した食器を洗い片付けしてると生欠伸が出る、美澄も寝てるし起きる気配も無いから一寸早いが布団に潜り込む。
「一寸ご免ね…」
声を掛けて頭を優しく持ち上げ左腕に乗せ、二人で寝る時の何時もの体制にするともぞもぞ動いて体の向きを変え此方を向いた。
「ママ…」
「えっ?」
聴こえるかどうかの小さな言葉が漏れる、何かモゴモゴ言ってる其の言葉に聞き入った…。
何で此処までしてくれるんだろう?




