お姉さん来ませんでしたね?
如何したもんだろう
「いらっしゃいませ!」
数日経って今日は土曜日のバイト、例によって強盗対策の為今日は二人体制惚けた新人さんとバイト中である。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ!」
忙しい時間ももう直ぐ終わり。
「有難う御座いました!」
「ありがとうございました!」
最後のお客さんをお見送りして暇な時間に突入、店内にはAMの深夜放送のタレントの声が響くだけに為り一息吐ける、お互いに金属製のカップを持ち出しK社のジュースサーバから其々好きな物をカップに注ぐ、メニューはコーラとオレンジとグレープのソーダ、それとメロンソーダ。
勘違いされても困るから書いて置くが、此れはバイトの契約時点で休息時間には自前のカップを持参してれば幾等飲んでも良い事は謳われてる、御客様に提供するカップを使う訳には行かないから自前のカップと但し書きが付く、此れもオーナーに直接言われて居る、ラッキーだと思うだろ?、でも考えて見て欲しい炭酸の甘いジュース等幾らでも飲めるもんじゃない、ホントに勤め始めは物珍しさから飲むのだが直ぐに飽きるし、炭酸で腹が膨れるから何杯も飲めたもんじゃない。
「一寸聞いて良いか?」
「そうですね気に為ってたんですがお姉さん来ませんでしたね?」
「ハイッ?、何言ってんだ?」
「今日はお姉さん来なかったじゃ無いですか!」
「今日は土曜だろ彼氏の所に行ってるに決まってるんだろ!」
「絶対違います!、あんなに清楚な人がそんな事無いです!」
「判った!分かった!、そう言う事にしといてやるよ…」
「絶対そうです!」
何だかな…、横で一生懸命に力説してるんだが…。
「話の腰折って悪いんだけど聴きたい事が有ってな?」
「何ですか改まって?」
「今日はデカいのに乗って来てるじゃ無いか?、アレお前のバイクなのか?」
「そうですよ?」
「何時もちっこいのに乗って来てるだろ?」
「ガス入れるのが間に合わなくて…」
「ふ~ん二台持ちなんだ…」
「学校通うのは勿体無いから小さい方なんですけどね」
「そうか…」
今日奴が乗って来たのは82年製のHONDA、V型4気筒400㏄確か回し強くて10000回転越えても回るエンジン積んでる…、アレも速いんだよな…、初めて彼らの姿を見たくて皇居迄行った時に居たよな、大手の会社はオリジナルカラーに塗られた並列四気筒のホンダ製だったけど一台居たよな此奴が乗ってるのと同じ車両が。
「なぁ、何処のバイク屋で買ったんだ、小さい方もHONDAだろ?」
「今度北総鉄道の所に新しく道が出来たでしょ?」
「あゝ、あそこのWINGか…」
この間行った時には出物は無かったよな…。
「どうしたんですバイク屋なんて彼方此方有るでしょ?」
「言って無かったなバイク探してんだよ」
「何処でも買えるじゃないですか?」
「お前みたいに実家じゃ無いから新車何か買えないよ!」
「欲しい車種有るんですか?」
「実は…」
こうして今夜も深夜も更けていく…。
進展が有れば良いんだけど




