バイト明け
バイト無い時何してるんだ?
「お早う御座います」
「ご苦労様」
「雑誌までは終ってます」
「判りました」
朝の引継ぎも終わり此れでバイトも終了、引継ぎとは言っても何処迄入荷した物が終わってるか位の引継ぎ、二人体制で余裕もあり入荷した物は殆ど終わってる、ほんの先程入荷した物位で無いに等しい、此れで今日の作業は全て終了晴れて上りとなる。
「それじゃあ上がります」
「お疲れ様でした」
先程いらした朝のパートさんに引き継ぎ晴れて終了。
「さて如何するかな前回は南下したから北上して見るか…」
誰に伝える訳でも無いが言葉が零れていた。
キーを回し真ん中のグリーンが灯る、続けて右手でペダルを起こし一気に踏み抜く。
キック一回で目覚めるエンジン、軽いエンジン音。
「今日も機嫌は良さそうだな!」
タンクを撫でながら声を掛ける、バカみたいな奴だなと思われても仕方無いが是だけは止められないしこれからも続けて行くだろう、乗る前の儀式みたいな物で此れを行ってからは無事に帰り続けている、考えられない様な嵐の中も無事帰って来たんだ此れからも止める心算は無い。
サーモの針が走り出せる事を告げている、メット被り一速に入れ走り出す。
「もうそろそろ見つかって欲しいよな…」
速度を50㌔程で北へ北へ北上を続ける。
「確か此の先にショップ有ったよな?」
何をしてるのかって?、新しい相棒を探してるんだ一日置きのバイトだからこうして仕事明けに東西南北のバイクショップを廻ってる、新車は予算オーバー中古を探し廻ってる…。
今乗ってるのは?、此れは原付だ一応、原付は30㌔だろ!、そういう声も有るだろうが抜かりは無い、今乗るコイツは50㏄しか国内販売は無いんだから当たり前、エンジンに手を入れて構造変更し市役所に捻じ込み原付二種に変更済、高速に乗れない以外は一般道では車と同じだ。
「あれ?、何してるんだ?」
今制服の肩の所がこげ茶のコンビニの前を通過中、コンビニの駐車場でオッチャンがエンジンフードを開けた車を覗き込んで居る、故障だろうか?。
気に為ったのは其の車、随分珍しい車体で先ず滅多にお目に掛かれない軽自動車、乗ってても若い子位だと思うんだが…?。
横目で見ながら其のコンビニ前を通過した…。
さて如何なるんでしょうね…。