帰ろうマー坊!
良いんじゃ無いかやって見ろ!
左腕に掛る重みが動き目が覚める、ホントに温かいもんなだな一人じゃ無い目覚めって…。
「マー坊おはよ!」
「お早う御座います、美澄さん」
「ダメだよマー坊、名前だけ呼んでよ他人行儀に聞こえる!」
「じゃあ、美澄もマー坊は辞めませんか?、名前教えたでしょ?」
「ダ~メ!、マー坊はマー坊だよ!」
(o^―^o)ニコ
「ずっとそう言われるんですか…」
(-ω-;)ウーン
「そうだよ!、お父さんに代わる迄ね!」
「お父さんに代わる迄…、ずっとそう言われるんだ…」
一寸重い言葉…、そうか子供出来たら呼び名代わるよな、如何するかなそんなに長く待たせる訳にも行かないよな、本気で悩む事に為る…。
<嬉しく無いのかお前?>
そう言われそうだな、嬉しいさそう言って貰えて…、前の仕事で爆発事故に遭った時二週間程何も聞えず病院のベットの上、夢を追う為の腰掛にして罰が当たったんだとずっと自問自答を繰り返してた、退院までの期間は未だ良かった他の患者も<耳に不必要な音を聞かせるんじゃない!>と怒りに来るお局様含めた看護師に怒られた。
<そう誰かしらが傍に居た>
俺の故郷は1500㌔程先に在る、事故の翌日両親が来てしまう、弟と妹が居るから翌日には帰って行ったが、声が届かぬ耳の為の筆談用のノートに書き込まれた…。
「ゆっくり治して夢を叶えなさい」
聴こえぬ耳に両親の声が届く、聴こえぬ筈なのにシッカリ声が聞こえてきた…。
夢は叶えたい…、其の仕事に就きたい…、未だ19、故郷を出る時何年待っても成ってやる、何年待っても其のチャンスを掴んでやる、そう誓って出て来たんだ、反対されると思った両親も…。
「良いんじゃ無いかやって見ろ!」
逆に背中を押して呉れた…、腕一本で稼ぐ仕事、自身の腕、技量、正確な判断力、危険な仕事に違いない…、年間に何人かの方達が此の世から消え次の所に旅立って逝く仕事…、日本の中の一握りの鬼や神様とも呼ばれるそんな人達でもだ、それも伝えたのに背中を後押しして呉れた、だからその仕事で一人前に為る迄故郷に帰らないと決めたんだ。
<再来月で25に成るんだよ>
子供産んで育てて行くから余り時間は掛けられない…、早く見つかって呉れそう天に向かって祈る、チャンスを見逃さない様に加護が受けられる事を、其の先事迄は願わないよ其れは俺の実力が通用するかを試されるだけの事、伴わなければ篩に掛けられて落されるだけの事、其の時はスッパリ諦めるさ俺の実力が其処に届かないだけの事だから。
「美澄そろそろ着替えて帰ろうか!」
「帰ろうマー坊!」
嬉しそうな笑顔、俺には勿体ない綺麗な女性の髪を撫でる左腕、其の腕に掛る重みが一気に増した気がした…。
腕に掛る重みが一気に増した気がした…




