もっと綺麗だったな…
良く解らんがずんずん手を引かれてく。
展望台迄少し早歩き位の速さで進む相変わらず手は引かれた侭だ、光った物を見せたく無いのか歩みの速さを上げるとさらに上げるからゆっくりとした速さにもどした。
「ゆっくり行きましょう!」
「そうね!」
そう言うと普通に歩くよりも遅く為るが俺の前で手を引く事は止めない、昇る途中で一度手の甲で顔を撫でた、光った物は間違い無いんだろうが問う事は止めた…。
「てっぺんに着いた!」
「良い景色ですね!」
「海良いな!、そう思わない?」
「俺海の傍育ったんで波の音聴くとホッとします!」
「そうなんだ!、良い事聞いた!」
声は弾んでるだけど真っ直ぐ海を見た侭此方を振り向いてくれない、さっき見た光は間違い無いんだと確信した、なら此方を見てくれる迄は待てば良いって事か…。
「ねえ!、海綺麗だよね!」
その問いに少し戸惑う何て返せば良いのか、目の前に拡がる海は確かに綺麗なんだ…、ただ俺が見たい見覚えが有る海とは大分様相が違ってる、勿論時期の違いも有るんだろうが…、でも今問われて求められてる答えは違う筈なんだだから答える…。
「えぇ、綺麗ですね!」
「そうだよね!、でもね…」
「如何したんです?」
「もっと綺麗だったな…、北海道の海!」
「そうなんですか?」
「マー坊?、今そうなんですかって言った?」
(・・?
「そうですけど?」
「若しかして海見た事無いの?」
「イヤイヤ、さっき言ったでしょ海の傍で育ったって?」
「そうだったよね?」
「何か変ですか?」
「海の傍で育ったのにおかしくない?」
(・・?
ここで初めて此方を見てくれた、頬に跡が残ってる…、今の会話で顔を見せまいとしてたのは忘れて仕舞ったようですねお姉さん…。
「何でです見た事無いですから?」
「見た事無いって如何言う事?」
(◎_◎;)
「見た事無いですから?」
「ホントにホント?」
「何かおかしいですか?」
「若しかしてあたし勘違いしてるの?」
「何がです?」
「一寸待って!」
そう言ったらまた海の方に向き直って暫く考え事し始める、俺も何の事だか判らないし同じ方向を見て次の言葉が出て来るのを待った、何だろう見た事無いのに間違い無いし、未だ千葉より北に行った事無いし、何かおかしかったのかなトンと分からん事だらけだ此のお姉さん…。
「マー坊?」
「ハイ?」
二人共海を見た儘で話始める。
「あたし勘違いしてるのかな?」
「何がです?」
「マー坊って北海道から来たんじゃないの?」
あゝそう言う事なんだ!、漸く解ったお姉さん俺が北海道出身て思ってたんだ…、でも何でそう思ったんだろう、そんな事一言も言って無いのに…。
少しずつ誤解が解れて行きますね!




