深夜のお店!
元気な声で!
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませ!」
深夜のお店!
「お預かり致します!」
「お待たせしました!」
元気な声で!
「有難う御座いました!」
「有難う御座いました!」
明るく爽やかに!
早い物でバイクを生還させて一週間、隣のレジには奴が居る、そうハンマーでエンジンを叩き割る大馬鹿野郎だ!
「有難う御座いました!」
「有難う御座いました!」
最後のお客様を見送り暇になる時間に突入、あ〜ぁ気が重い…
この時間に奴が言う事は決まってる、本日もお見掛けしなかったからだ…
(。ŏ﹏ŏ)…
奴が満面の笑みでコチラを見て居る…
本当に気が重い…
「先週は有難う御座いました、元々より加速良くて直してから絶好調です!」
それは何よりだ、俺は絶不調だがな…。
「良かったな」
「どうしたんです何かお客様帰ってから元気無いですが?」
「お前が元気過ぎなんだ!」
「元気が取り柄です!」
「元気だけな…」
「元気出しましょうよ、そうだ明日もバイトでしょ何か予定有りますか?」
「コレと言って無いがどうした?、まさかV4の方まで調子悪いのか?」
「あっちは絶好調ですよ!今車検に出してます。」
「ビックリさせるなよ、覚えとけあんなデカいのは俺の工具じゃ手が出せないからな!」
「そんなもんですか?、いやね直して貰ったお礼に飯奢りますんでファミレスで良いですか?」
ヽ(^。^)ノ
「飯か…」
そう言えば此処暫く碌な物喰って無いな、売れ残りも殆ど無かったし、今じゃ帰っても自分で作らなきゃ何にもないからな…。
「じゃあ行くか、明日だな何時だ?」
「明日の夜の8時位で良いですか?」
「バイト前に腹ごしらえか、其れで良いゾ」
「決まりですね!」
偶にゃ真面なもん喰いたいよな。
「で、何処に行けば良いんだ?」
「花輪のインターの近くです、夜学の皆と偶に行ってる処です」
「嗚呼、あそこか判った」
「明日は家業の手伝い有るんで其れが終ってバイク引き取ってから向かいます」
「車検に出してるって言ってたな…」
「今日上ったって連絡来たんで」
「了解」
野郎二人で行くのか華が無いよな、日曜の夜だと家族連れとカップルばかりな気もするがまあ良いか。
「いらっしゃいませ!」
お客様の来店だ仕事開始!
「お疲れ!」
「お疲れ様です、じゃあ8時で!」
「判った!」
奴と別れて階段を下って行く、さて今日は如何する?、戦利品は無し何か腹に入れて少し寝てから考えるか。
昼過ぎに目が覚め此の後の事を考え何時も通りにバイクを探しに出る、フロントを久しく向かわずにいた北に向け上って行く、管理会社の車とハイソカーが停まる場所を横目に通過。
「今日が鍵の返却日か…」
先へ進むが見付からず途中で道を折れ、新しく出来た店舗も覗くが結局収穫は無く帰宅、後は奴の奢りで飯喰うだけ、家でコーヒで一息入れファミレスへ向かう。
約束の場所にはV4のバイクが停まってる、奴は既に来て居るらしい、ドアを開け奴を探す。
「いらっしゃいませ、御一人様ですか?」
「いえ、連れが先に来てますんで」
店内を見渡し窓際に席を取る奴の姿が目に入る、奴も俺に気付いた様で手を挙げる。
「ではごゆっくり」
ニッコリ微笑む店員さん、接客としての点数なら満点だな。
明るく爽やかに!