「あんた何やっ…」
まぁ最悪な結果でも納得するさ…
俺に運が味方するかどうか此処でハッキリする。
「まぁ最悪な結果でも納得するさ、今迄俺が先送りにした結果だからな…」
<キューーーーッ>
音が止みコツンとステップとエキパイに小さなショックが伝わる、無事に止まって呉れた…。
「あんた何やっ…」
<プァ―ーーーン!>
其の声は電車の警笛に似た大音量にかき消された、ホーンを高らかに鳴らして通過して行く車、俺の身長よリ高いアオリを装備した荷台、その上に高く積み上げられた残土、制裁量は多分30tを超え普通の制動距離じゃ勿論止まれない、坂道でリスタートも困難でクラッチ板に高い負荷が掛かり、下手すれば焼き付く、止まらないし走り出すのも困難赤信号など突破する、此の頃の夜中ではよく見る風景、積載重量の三倍、四倍は当たり前、運んだ重量で支払額が決まる何度も往復するより一度に大量に積み込む、バブルの頃の個人経営のダンプが行っていた事だ、其れに伴う悲惨な事故も数多かった、僅か数秒に正しい判断を必要とし今回は正解を見出した出来事…。
「ちゃんと止まってくれたね、お蔭で命拾いした!」
メットを外し同じタイミングで車を降りた美澄に思いっ切りひっぱたかれた。
<パーンッ!>
「アンタ何やってんのよ…、あたしが止まれなっかったらどうなってたのヨ!」
「其の時は其の時、でも止まって呉れたでしょ?」
(⌒∇⌒)
「マー坊アンタっ何考えてんの!」
ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!
「解ってるよ、マー坊がマー坊に跳ねられて~、其のままダンプに轢かれてぺちゃんこ!」
(⌒∇⌒)
「アンタねェ~~!」
(#^ω^)ブチブチブチ…
「痛い痛い痛い!」
「この子は此の子は此の子は!」
何度やられても痛いもんは痛い!、そして恐い、まるで鬼だ…。
(ノ`Д´#)ノムキー!!
「何で判って呉れないの!、何度も危ない事しちゃ駄目って言ってる!」
「でもああしなきゃ止まって呉れなかったでしょ?、俺は避けられても美澄は避けられ無かったよね、其れじゃ意味が無いんだよ!」
(・∀・)
「マー坊は判ってたのあのトラックが止まらない事・・・」
( ゜д゜)ポカーン
「そうだね…、少し前から止まらない可能性が在る事、あの侭信号通過したら俺が通過した直後に美澄があのダンプに跳ね飛ばされるタイミングだったんだよ、だから強引に止めさせた、ただ美澄が一寸ブレーキ踏むのが遅れたら俺がペチャンコだったけど♥」
(⌒∇⌒)
「何でヘラヘラ笑ってられるの!」
「だって二人供足は付いてるよ、ここじゃ後続の邪魔に為っちゃうから移動しよう?」
「判ったわよ!、覚悟しときなさい!」
<(`^´)>
毒気を抜かれ諦めた様な顔で戻って行く美澄、平気な顔で答えたが俺の指先は僅かに震えてる…。
そりゃ俺も恐いさ生命は一つ、やり直しなんて効かない、ジ・エンド其処で終わり…。
判ってるよ危ない事に挑戦しようとしてる事位、でも今しか無い、多分将来ずっと後悔し続ける事になる、本当に此の世から旅立つ其の日まで。
俺も恐いさ生命は一つだけだから。