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コンビニで手に入るんですか、これ⁉  作者: カビゴンと一緒
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そそくさと逃げ出す!

捕まるとおばさん達の話は長いから…

 パートのおばさん登場、今日も残り僅か二台目のレジチェックも終わり、今回もレジマイナス無し無事にバイトが終了。

「ねぇ!、この間の娘は彼女なんでしょ?」

「そうなら良いんですけどね~、ハハハッ!」

 ┐(´д`)┌


 ドアを開けて一目散に逃げ出した、捕まるとおばさん達の話は長いからハハハ…。


 そそくさと逃げ出し店の脇へ回り、キーを挿し右へ捻り緑のランプが灯る、右手でペダルを起こし右足で一気に踏み抜く、何時もと変わらぬ機嫌の良い音、ゆっくりと針が上がり始め走り出せる事を告げて来る。

「今日は何方に向かうおうか?」


 あゝそう言えば新しいウイングが有ったよな、暫く行って無いから其方へ向かおうかと思うが直ぐに首を横に振った。

「今日は西だな…」


 ウイングが在るのは北、此処から北に上る事になる、途中で右折する事には為るが、今は北には上りたく無かった、ウイングに曲がる交差点の直ぐ先にあの女性(ひと)のアパートが在るから…。

「早く見つかって欲しいよな…」


 今朝届いた情報誌、休日明けで今日の分で刷新されて居たがやはり何も無かった、バイクか仕事かどちらかでも決まれば報告も出来るし少しは自信が持て、もう少しだけ強く出る勇気も湧いて来るが、今のバイトで生計立てて仕事探してる立場じゃフリーターと変らない、何時定職に就けるか、就けたとしても厳しい篩に掛けられても其の中に残れるのか解らない、キチッと務め其れなりの立場にいる人間の方が先の展望は明るい、そう此の勝負の俺は最初から負けてるんだ。

「仕事に就けてさえいれば胸を張って奪い返しにも行けるのに、否、最初からお引き取り願った筈!」


 今更現れた処でと追い返せたのか?、でもアレか?、俺がバイトしてバイク探して無きゃそもそも美澄とは出会わなかったのか!。

「如何転んでも最初から俺に決定権は無かったのか…、ハハハハハッ…」


 自分が発した乾いた笑いに呆れて仕舞う、ギアを入れ走り出した当ての無い西へ向かう為。


 西へ西へフロントを向け走って行く、何度も通った道何度も訪ねたショップを廻る、遂に最後のショップでも収穫は無し直ぐ先は県境の大きな河、溜息が出る。

「時間も有るし久しぶりに彼らの姿を見たいな・・・」


 其の言葉も終わらぬ内にギアを入れ14号を西へ又走り出した、河を越え東京都心へ、其の東京の否、日本の中心部に向かって、俺の憧れて止まない彼らの姿、夢を追って故郷を後にした夢の職場、嫌、戦場か?、此の東京の公道の全てが彼等の戦場だ。


 西に西に進み蔵前通りを左折、明治通りを直に右折、そして錦糸町駅前を通過し西へ、目的地皇居前で左折、内堀に沿って次を右折、其処でバイクを止め歩道に押し上げ歩んで行く。


 次の交差点に近い場所にバイクを止めた、程無くしてホンダ製400ccインラインマルチフルパワーの排気音(エグゾースト)が聴こえて来る、是はノーマルマフラーの音。


 右折で車体をフルバンクさせ立ち上がり、短いブレーキングの後車体を左にフルバンクさせ消えて行った、此処は常時左折可の交差点…。


 信号の下部に表記が有る<警視庁前>と…。

此処は警視庁前。

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