ドアに鍵を掛ける
そうか…、其れ位…
車のエンジン音がして走り去って行く、其れを確認してドアに鍵を掛けた話の最中に万が一戻って来られても良い様に。
「何処行くの?、直ぐに戻って来るって言ってたのよ?」
「メモ残して直ぐに出よう、連絡先は解るんだよな?、二人で話をして其の後電話で連絡すれば良い!」
「戻って来るって・・・」
そうか…、其れ位大きな存在だって事か…、そうだよな未だ二か月程の俺とじゃ存在の大きさが違うって事か・・・。
「美澄直ぐに出よう!、愚図愚図してる内に戻って来ちまうから!」
手を取り立たせようとしたんだ、でも・・・。
「何処にも行かない、話が有るって、戻って来るって言ってたんだよ?」
「美澄今言った事の意味解ってるのか?」
「だってお話するだけだよ?」
「美澄…、判った納得いく迄話しすればいいよ、其れで出た答えなら否定しないから…」
「マー坊何言ってるの?」
「深い意味は無いよ。」
ケジメ付ける心算なのか、此処で合わせちゃ駄目だと頭の中で解ってる、多分俺達は戻れなくなるそんな当たり前の答え、だからもう一度だけ…。
「今会っちゃ駄目だ一緒に行こう!」
「何で話ちゃ駄…」
ガチャガチャとドアノブを廻す音がした、多分走って戻って来たんだろう。
「オイ美澄何で鍵かけてんだよ!、車置いて来るって言っただろうが!」
残念乍ら時間切れと言う事か、随分な幕切れだなこんな終わり方ってのも有るんだな…。
「マー坊開けて上げて?」
「判ったよ…、美澄部屋に戻って呉れるかい?」
「うん。」
未だノブをガチャガチャ廻してる、立ち上がらせて部屋に戻る様に促した。
「ハイハイお待ちください、今開けますんで~」
態と間延びした返事をして玄関の戻り開錠した。
「すいませんね~最近物騒何で一応鍵掛けといたんで~」
「何で未だ居るんだお前?」
「いや~、お姉ちゃん泣いてるんで其の侭置いてはいけませんよ~」
「そうなのか?」
「それじゃ俺はお邪魔んなんで帰りますね!」
「あゝすまないな、大事な話が有るんでな…」
納得行かない様な顔をして居たが退散するって言ったから其れ以上を問いかけはなかった、まあそう為るわなそれを言って仕舞ったら関係を疑ってるって事だろうし、俺も歯向かわなかったから…、此れ以上やったら美澄が答えを出したら…。
「それじゃあお姉ちゃんバイバイ!」
(^.^)/~~~
部屋を覗き込み笑って手を振った。
「マー坊!、マー坊!」
その聴こえる声を振り切るようにドアを閉める、カチャンと小さな音を発て、ガチャンと施錠する音も聞こえた、野郎が掛けたんだろう誰にも邪魔されたく無くて。
こんな風に終わって仕舞う物なんだドラマ見たいに綺麗な終わりってのは現実には無いって事か、さて如何しようかな此処からバス有ったかな?、歩いて帰れない距離じゃ無いし歩くか…。
頭冷やすのに時間が必要だし丁度良かったのかも知れない、約5㌔家に向かって一歩足を踏み出した。
「此の先コンビニも無いんだよな…、俺の居るコンビニまで…」
ドラマ見たいに綺麗な終わりって