人間電池
掲載日:2021/08/02
いつものように電車に運搬されて会社まで移動する。
そして既定の位置に付くといつものように働き始める。若い時は必死で馬車馬のように働いていたが十年も同じ労働を繰り返している内に、やがて乾電池のように無機質な労働へと変わっていった。
いつものように定時まで放電し続けると決まった動きで帰路に就く。
退社の道はベルトコンベアに乗っているようにも感じた。
横道に逸れるでもなく自宅に帰ると会社に吸い取られた電力を感じながら床に就く。明日も私の電力を持っていかれるのだから早く充電しなければ。
いったい私は後どれだけの時間、壊れることなく働けるのだろうか。




