8話 それぞれの戦い
誤字脱字は投稿前に確認はしていますがもしあれば言っていただければ修正いたします。
-デューク視点-
デュークはダンジョンに入ってから速攻で走り出した。
「モンスターはどこだ!?おい!!ぶった斬ってやるからよ!!」
デュークは脳筋のごとく全力疾走しながら大剣を振り回していた。
少なからず知能があるゴブリンは強烈な殺気を感じ取り少しずつ逃げていた……いや全力で逃げていた!!
「おいおい!!どこ行くんだよこらぁ!それならっおらよっ!!」
モンスターが逃げるという前代未聞の事態が起きていた。
そこでデュークは身の丈もある大剣を片腕で投げ放った!!
型破りすぎるその攻撃に反応できず、なす術もなく2体のゴブリンは串刺しになった。
そして残る1体のゴブリンは恐怖に震えながらもなんとか脚を動かした。
だが全力で走ってきたデュークは串刺しになっている大剣を拾いながらジャンプ!!からの回転斬りを決めた。
全長が長い大剣だからこそ届いたのであろう。
本当はゴブリンに会うまでにスライムが居るはずだったのだが早々に岩の隅に逃げて擬態していた。
「モンスターのくせに逃げやがって。それにしても物足りねぇな。それにしても腹減った……」
さて……どっちがモンスターなのだろうか。
-スレイ視点-
「へぇ〜なるほどね。中はこうなってるんだね。」
スレイはダンジョンに入ってから他の2人のことを考えていた。
たまたま馬車で乗り合わせただけだが、歳も近そうだったので話してみたのだ。
良い人たちであったのでここに来るまで退屈しなかった。誤算だったのがあの2人と居ると居心地が良いことであった。
魔法が使えると知ると大抵の人間は虐めてくるか、へりくだってくるかだった。
だがレオルとデュークはすごいと褒めてきたし、その目は純粋な興味しかなかった。
だからだろうか。これからも一緒に冒険をしようと思ったのは。
戦力で言うなら今はまだわからないが、聞いた話ではレオルは身軽さと手数をメインに、デュークはとにかく強いもの、デカいものらしい。
性格は少し口が汚いが根は良い人たちだ。
「おっ!これがスライムかな。確か火が弱点なはずだから……えいっ」
気楽そうな声で杖を前にやると先から拳くらいの火が飛んでいきスライムを焼いて倒した。
「聞いてた通りダンジョン都市だと構築もスムーズだし威力も高いね」
さりげなくスレイは魔法を使っているが、あり得ないほどの構築速度であるのだ。
そのうえファイアボールを詠唱も無しに魔法を使ったのだ。
無詠唱はかなり難しい技能である。だが本来なら威力が下がるが今回のファイアボールは皆と同じ威力なのである。
ということは詠唱ありならこれよりも威力が高くなるのだ。
その調子でスライムを倒し進んでいくとゴブリンが3体居た。魔法使いにとって集団にソロというのは不利なのであるがスレイの場合は関係なかった。
「ファイアアロー×3!!」
そう詠唱をすると火の矢が3つ同時に飛んでいった。本来魔法の同時発動は高等技術であるが、さらに3つというが異常なのである。
まだ初級魔法であるがこれが中級、上級魔法を同時発動ができるとなればそれは特級冒険者でも難しいことなのだ。
「よしよし魔法も絶好調のようだしどんどん行こうか。こんなところで時間を取られるわけにはいかない。僕の目的のためにも。」
スレイはある目的のためにダンジョン都市に来た。
それは……恋である。
スレイの同じ村出身の女の子。その子はスレイよりも3歳上の17歳である。名前はレナ。
元々レナに素質があるからと魔法を教えてもらい、その時に恋に落ちてしまった。
レナは冒険者になるんだとダンジョン都市に行ってしまってからは、追いかけるのだと独学で魔法の修行をしていた。
だがある日村の人に言われたのだ……
「レナってもう17歳だよな??そろそろ結婚相手見つけてるんじゃねぇかな。結婚したらレナの家族に一回帰ってって言われてたみたいだしな。楽しみだ。」
何が楽しみだ。全力で追いかけないと!?!?
そう思ったスレイは全力でダンジョン都市に来たということだ。
「早くレナに会いたい。結婚したい。急がないと!!はやく!!」
結局真面目枠だと思ったスレイもレオルやデュークと同じ変わった部類であった……。
そんなこんなでデュークとスレイは無事チュートリアルを攻略して最下層に現れた小さい転移門で地上のダンジョン門に転移した。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
[今日の一言]デュークをこんなに脳筋にするつもりはなかったのですが、愛着がわいてしまい脳筋にしちゃいました^ ^
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