2話 働けることの喜び
まだまだ序章ですのでスロー展開ですが、これからどんどん勢いをつけていきたいですね。
誤字脱字は投稿前に確認はしていますがもしあれば言っていただければ修正いたします。
それから俺はありがたくも居酒屋で見習いとして働かせてもらえるようになった。
しかも住み込みでだ。
半年ほど経つと仕事にも慣れてきて一通りはこなせるようにはなった。
計算や文字も覚えた。結構頭良いんじゃないかと自惚れてたら頭を小突かれた……。
給料も住み込み3食付きで銅貨30枚貰っている。
今のところ使う機会もないので貯金している。
全部で銀貨5枚と銅貨180枚だ。
なにも食べるものがなかったあの時とは全然ちがう。それもすべて名前はドクというおっさんのおかげだ。最近ではおやっさんと呼ぶようになった。
そんな俺はおやっさんに食材の買い出しを頼まれ近くの市場まで来ていた。
「お!レオルの坊主じゃねーか!良いトマトが入ってんだ!おまけしてやるから買ってけー」
俺もこの市場にも慣れてきて顔見知りも増えてきた。おまけもしてくれるので優しい人ばかりだ。
そんな帰り道の路地裏で倒れてる奴がいた。
赤い長髪に金色の眼をしてる同じ歳くらいの少年だった。
「おいおい大丈夫か?なにがあったんだ?」
「は、腹が減ったんだ……しぬ」
なんか同じ光景を見た気もするな。
あ……前の俺か……。
「名前はなんていうんだ?とりあえずこれでも食え」
さっき買ったばかりのトマトときゅうりを渡した。
「うめぇ!まじでうめぇ!マジでありがとな!オレの名前はデュークっていうんだ!」
すごい勢いで食ったと思ったらすごい勢いで話してきた。
少し声量を下げて欲しいよ……。
「俺はレオルっていうんだ。そこの居酒屋で仕事をしてる。デュークはこんなところで何してたんだ?」
「オレはそこのスラムで住んでるんだが、母さんが病気しちまってよ。治すにも相当金が掛かる薬らしいんだ。だから必死で日雇いで働いていたんだが、疲労が溜まってこうなったってわけだ」
ようは、デュークの母親が病気であり、高価な薬が必要で稼ごうとしたが疲労困憊で倒れたと。
「とりあえずすぐそこだから居酒屋に来いよ。少しなら奢ってやるから」
「マジでか!?レオルお前良い奴だな!ありがとうな……」
デュークは少し涙目に感謝した。
「それでよレオルすごく言いにくいんだが……さっきからお前犬の糞踏んでるぞ?」
「はぁぁぁー!?!?もっと早く言えよバカ!うわっ!マジじゃねーか!くせぇなおい」
「ちょっ!?近寄んなよレオル!やめろー。うわっ付いたじゃねーか!くせぇーー」
かっこよくは終われないレオルとデュークであった。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
[今日の一言]自分が読みたい内容を書いてるだけなのですが案外楽しいですね(´∀`)
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