フォーチューズ と ゆめ
お待たせしました。
本日2本目がようやくできました。
○2100年2月28日
『Dan Tube』を始めて一ヶ月が終わろうとしているこの頃、最近の僕は毎朝動画編集をして、コラボ動画を上げてから1日が始まると言っても過言ではない。
僕が『Dan Tube』を利用するにあたって、親戚の叔母さんになんとか頼んで最新デバイスを買うお金を借りたのはもう過去の話。
なぜなら僕のチャンネル登録者数はどんどん増え、有名なチャンネルの一つとなっている。
そして収益化によってようやくお金が手に入り、ようやく僕たちは貧困な借金塗れの生活を抜けられるのだ!
そうと決まったので僕は稼いだお金のうち、大半を手元に残しておき、残りを親戚の叔母の自宅に送った。
手元に残ったお金はもちろん生活費に使う。
ただそれだけのことである。
よし、それじゃあ奈恵が作った朝食を食べに行こうかな。
……と、僕が動き出したその時だった。
奈恵が僕の部屋へ入って来た。
「お兄ちゃん!『フォーチューズ』って言うパーティーについて……って何でそんな最新のデバイスをお兄ちゃんが持ってるの!?」
この最新のデバイス、実は買ったことを奈恵には一切話してない。
話したら僕が『フォーチューズ』とだと言うことをバレてしまうからである。
そしてもし奈恵から僕の情報がバレたらそれこそ『匿名』の意味は無くなってしまう。
僕はとっさに時空魔法で別空間にデバイスを隠した。
「き、気のせいじゃないかな?僕は今から朝食を食べようと思ってたところだよ?」
奈恵は僕に顔を近づけてじーっと見てくる。
「……お兄ちゃん、その顔は嘘ついてるでしょ?それで何でお兄ちゃんが最新のデバイスを持ってるの?……もしかして借金を増やしたの?」
たしかに借金を増やしたのは事実だけど既にそのくらいは収益化が始まった日からコツコツと返して既に返済し終わっている。
だから結果的には僕はむしろ借金を減らしている側である。
「しゃ、借金は減ってるよ?ほら」
そう言って僕は借金額の書かれたものを見せる。
「あ、本当だ。一割くらい減ってる。何で!?」
「そりゃあ僕が『Dan Tube』で稼いでるからだよ。」
「お兄ちゃんのチャンネル、教えてくれないから何もわからないんだけど……もしかしてお兄ちゃんって『フォーチューズ』の関係者だったり編集係だったりしない?前にお兄ちゃんがフォーチューズのメンバーとパーティーを組んでるって言う夢を見たことあるんだけど……」
なんだその夢は。
そう思ったけど以前、奈恵が僕にパーティーを組んでいるか聞いて来た時も『フォーチューズ』のメンバーの男女比を当てていたからもしかして奈恵には何かを夢で見通す力があるのか?
と、僕はしばらく考え込むのだった。
この小説を気に入っていただけたらブックマークや☆☆☆☆☆を押して応援お願いします!