第7話 林間合宿へ、そのバス車内
5月の初め。魔理亜達聖妖学園1年生は林間合宿へと向かうバスに揺られていた。
生徒達はそれぞれに駄弁っていた。席は指定されており、琴葉と離れている為、つまらなそうに窓の外の景色を眺めてる。
「えっと・・・・・・。あっ・・・・・・、あの・・・・・・」
魔理亜の隣に座る男子生徒が、魔理亜に話しかける。魔理亜はつまらなそうな顔のまま、
「何?」
「あっ! いや、えっと・・・・・・! そのっ!何でも無いんですけどっ!」
そう聞いて、魔理亜ははっとして、
「ごめんごめん! 気を悪くしたならごめんなさい!」
「いやいやっ! こちらこそごめんなさい!」
「・・・・・・」
「・・・・・・。あのっ!」
「えっと・・・・・・、何です?」
「えっと・・・・・・、えっと・・・・・・」
「取り敢えず私から自己紹介しよっか。私は神園魔理亜。好きな食べ物は苺。趣味は、サバゲー。こんな感じでいいかな? じゃあ、そっちも」
「あっ、はい。えっと、ボクは志那戯拓弥。えっと・・・・・・、好きな食べ物は桜餅。えと、しゅ、趣味は、えっと、特には・・・・・・、無い・・・・・・です」
「そうなのねー。ゴメンね、私ってあんま人覚えるの得意じゃ無いから、何回か聞いちゃうと思うけど」
「あっ、大丈夫・・・・・・です」
「特技とかって無いの?」
「特技・・・・・・。特技って言っていいか分からないですけど、一応、ルービックキューブとか」
「そうなの? ルービックキューブかぁ、私も出来るけど、早くても2分くらいだなぁ。因みに、たっくんはさ、どれぐらいで出来るの?」
「たっくん?!」
「いやさ、なんかさ、拓弥君。とか、志那戯君。とかって呼びづらくない?だから、取ってつけだけど、あだ名。もしかしてしなぎーとかの方がいい?」
「いや、あのー、そう言う問題では無い気がするんですけど・・・・・・、まぁ、いいです」
「うーん。どっちのがいい?たっくんとしなぎー」
「じゃあ、『しなぎー』で」
「そっか、じゃあしなぎー。ルービックキューブの話に戻るけど、しなぎーはどれぐらいで出来るの?」
「えっと、30秒くらい。ですかね」
「ウッソ! スゲー早いじゃん!」
「そんな事ないですよ」
「あるよ!」
「そうですか? そんな事無いと思うんですけど」
「そっか、あっ、そうだ! しなぎーさ、その、『○○です〜』とか、やめよ?」
「いや、それは、あのっこっちのが落ち着くので」
「そっか、じゃあ強制はしないよ」
「ありがとうございます」
バスは宿泊施設に到着する。見た目こそは『○○自然の家』とか名前がついてそうな施設である。
ここで起こる悪魔の様な事件を知ることになるが・・・・・・。
copyright©︎2020-猿あんs