第6話 普通の日
「持ってたんだな。まぁ、誤差の範囲か。実験としては成功だな」
何処かも分からない場所で、少年がキャスター付きの椅子に座り、モニターを見ている。
「さてと、次はどうしようかな」
少年は椅子から立ち上がり、何処かへと行ってしまう。少年の見ていたモニターには、魔理亜と、怪物の戦っている映像が映っている。少しして、少年が、スナイパーライフルの様な物を持って戻ってくる。
「取り敢えず、出来たばっかりのコイツを使ってみようか」
少年はモニターに立て掛けてあった『魔核適応レベル』と書かれたファイルを手に取り、開いて、中を見る。ファイルには、様々な人のデータが書き連ねてある。
「じゃ、コイツにしようかな」
ファイルから選んだ人間の紙を取り出し、その場を去る。
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琴葉が教室に入って来る。
「おはよー」
「おはよ」
「調子はいかが?」
「良好だよ」
「そりゃようござんす」
「いつの人?」
「バリバリの現代人だよ?」
担任が教室に入り、HRが始まる。HRは問題無く終了し、授業が始まる。
昼休み、魔理亜と琴葉は食堂で、対面向きに座り、魔理亜は大盛りカツカレー。琴葉は肉うどんを食べながら、
「あのさぁ」
「なぁに?」
「あのー、あれさ」
「あれ? あれって何?」
「ほらー、あのー、あれ」
「だからあれだよ」
「あれって何よ」
「あのー、林間合宿的な」
「的なって何? フツーに林間合宿でいいじゃん。それで、その林間合宿がどうしたの?」
「どんなのかなーって思っただけ」
「どんなのってそりゃあ、色んな活動するんでしょ」
「もっと具体的な感じが欲しいけど」
「知らないよ! 先生じゃないんだから」
「そりゃそうだけどさ、ほら、肝試しとかすんのかなーって思ってさ」
「分かんない。てか、肝試し好きなの?」
「好きって訳じゃないけど、そういうとこ行ったらやりたくならない?」
「それはあるかもしんない」
「でしょ?」
「やる必要あんのかな?」
「どういうこと?」
「ほら、ここってさ、全寮制じゃん? ああいうのって普通の学校で、仲を深めて団結力を高める為にやるじゃん? ここっていつもそんな感じじゃない? だからやる必要あんのかなって」
「そりゃそうだけど、通行儀礼みたいなもんでしょ」
「そっか」
「気になったんだけど、魔理亜ちゃんって結構食べるんだね」
「まぁ、小さい頃から周りの人からよく食べるとは言われてたけどそんな感じしないと思ったんだよねー」
「そうなの? 私これで結構お腹いっぱいになるよ?」
「そうなんだ。私はこれでもお腹いっぱいになんないよ?」
「それでよくその体系維持できるね」
「そう? 普通だと思ってた」
「そんな事ないよ! 年頃の女子は太りやすいから皆気を付けて生きてるんだよ?」
「そうだったんだ。皆が食べてるの見て大丈夫かなって思ってた・・・・・・」
「そっか・・・・・・」
そんな2週間後、魔理亜達聖妖学園1年生は林間合宿へと赴く。
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