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第17話 探偵部入部、初依頼

「探偵部?」

「うん。探偵部」

「へ〜」

「でさ、ちょっとお願いなんだけど」

「うん」

「探偵部の先輩にさ、お願いされて」

「うん」

「魔理亜ちゃんも探偵部入ってくれる?」

「え?」

「先輩に部員が少ないから他にも友達勧誘してくれないかって言ってきたから」

「ん〜。まぁ、良いよ」

「ホント?」

「うん。特に入る部活決めてなかったし、楽しそうだし」

「決まりだね」


 翌日の放課後、魔理亜は琴葉に連れられ、部室棟へと行く。

 部活には、殆どの文化部の部室及び同好会がひしめき合っている。この学校の文化部は、ゆうに二桁あり、相当数の部室があるため、部室棟は校舎に並ぶくらいの大きさがある。

 その部室棟の二階東に、探偵部部室があった。


「こんちわー」


 琴葉と魔理亜は探偵部部室に入る。探偵部部室は、背の低いテーブルと、三人がけのソファーがテーブルに向き合うように置いてある。周辺の家具は、全体的にシックで、落ち着いた雰囲気がある。


「琴葉ちゃん。新しい人連れてきた?」

「はい」


 琴葉は脇に避け、魔理亜と探偵部の先輩と対面させる。


「初めまして。神園魔理亜って言います。よろしくお願いします」

「はいよろしく。僕は佐島慶翔さじまけいしょう2年で、一応この部活の部長だよ。」

「慶翔先輩。魔理亜ちゃんは能力者なんですよ」

「そうなの?」

「はい。一応」

「どんな能力?」

「全ての能力を使う事のできる能力です」

「えぇ?! ホント?!」

「はい」

「ただでさえ能力者って珍しいのに、能力者の能力を全部使えるのか・・・・・・。ビックリだなぁ」

「ちなみに先輩は?」

「僕も能力者だね。一応」

「どんな能力なんですか?」

「『エレトリカ』電子を操れる能力だよ」

「そうなんですね。意外と便利ですね」

「そうだね。取り敢えず君達にやって貰いたい依頼があるんだけど・・・・・・」

「えっ?急に話変わりましたね。えっと、それは、今からですか?」

「うん」

「何も説明受けてないんですが・・・・・・」

「あれ? 顧問から受けて無いの?」

「無いですね」

「じゃあ、追って話すから」

「今じゃないんですね」

「依頼主から早急にって言われてるから」

「そうですか。所で、依頼は何処から?」

「オカルト研究同好会から。オカルト研はこの部室棟の三階にあるから。すぐ行ってあげて」

「はい」


 魔理亜と琴葉は部室を出て、オカルト研同好会室に向かう。


「失礼しま〜す。探偵部で〜す」

「失礼します」


 琴葉を先頭に、オカルト研同好会室に入る。オカルト研同好会室は、長机と、パイプ椅子が6つ。

 壁や棚には、いかがわしき物が満載されている。本棚にはオカルト関連の雑誌や児童書などが沢山置いてある。全体的に陰鬱としている。


「おぉ! よく来た!」


 会長らしき生徒が魔理亜達を歓迎する。


「えっと、依頼で来たんですけど、どんな依頼なんですかね」


 琴葉が会長に尋ねる。


「まぁまぁ、取り敢えず座ってくれ」


 促され、魔理亜と琴葉はパイプ椅子に腰掛ける。


「取り敢えず僕らの紹介から。僕はこの同好会の会長の瑛隗星斗えいかいしょうと2年。そっちは同じ2年の橇町輛子そりまちりょうこ。君達の隣にいるのは君達と同じ1年の志那戯君。後、もう1人、今ここにはいないけど、2年の星稜静薙せいりょうせいながいるよ」

「あれ? しなぎーこの部活だったんだ! 気付かなかった」

「気付いてあげなよ」

「大丈夫ですよ。それより、魔理亜さんが元気になられて何よりです」

「ありがと。心配してくれてたんだ」

「そりゃ心配もしますよ」

「ごめんね」

「謝らなくて良いですよ」

「さて、依頼の内容だけど」

「はい」

「僕らと一緒に、UMAを探して貰いたいんだよ」

「UMAってあの、ビッグフッドとか、イエティとかですか?」

「そんなのは日本にいないよ。今回一緒に探すのはツチノコだよ」

「ツチノコ、ですか」

「そうそう。ツチノコ。できれば生捕りしたいんだ」

「そんな無茶な」


 魔理亜がそう言うと、星斗は、立ち上がり、


「無茶なんて事はないよ! いるかもしれないじゃないか!」

「すみません。あんまり信じてないもんで」

「まぁ、仕方ないね」


 星斗は座り直し、話を続ける。


「ツチノコって古事記とかに神として書かれてたり、実際の捕獲成功報告とかあったり写真とかもあったりするかなりメジャーなUMAだね。街中で目撃されたりしてるから、明日、この学校の周辺を僕ら4人と君達2人の合計6人で探そうと思うよ。今から、捜索範囲の会議をしようと思うよ」

「はい」


 その後、簡単な会議が行われた。会議後、魔理亜達は探偵部部室に戻る。


「戻りましたー」


 2人が戻ると、そこには慶翔の他に2人いた。


「お帰り」

「あれ? その2人は?」

「紹介してなかったね。2人は探偵部の部員で、こっちが堅城蘭兎けんじょうらんと、こっちが、麗抄京子れいしょうきょうこどっちも2年だよ」

「神園魔理亜です。よろしくお願いします」

「よろしくなっ!」

「よろしくね〜」

「で? どうだった?」

「ツチノコ探しですって。明日1日」

「いかにもって感じだな。ガンバ!」

「初仕事にしては簡単そうで良かった。もっとハードなの想像してた」


 この日は、これで解散となった。

             copyright©︎2020-猿あんs


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