第16話 林間合宿その後
「ん? うぅ・・・・・・」
琴葉は目を開ける。全く見た事の無い場所だった。
「うぅ・・・・・・。どこ・・・・・・?」
意識ははっきりとしないが周りを見渡す。自分の周りには、生徒や教員が、
「え? え?」
琴葉は状況が掴めずにいる。改めて正面に目を向ける。すると、
「え? 魔理亜・・・・・・ちゃん・・・・・・?」
そこには魔理亜が倒れていた。
「え? どう言う事? え?」
琴葉は衝撃で立ちすくむ。
「魔理亜ちゃん!」
すぐさま魔理亜に駆け寄る。
「魔理亜ちゃん! ねぇ! ねぇってば!」
揺さぶってみるも魔理亜は起きない。
「どうしよっ!? どうしよ!? えっ? はっ!?」
琴葉はパニック状態に陥る。数時間後、全員の意識が回復する。魔理亜を除いて。その後、紆余曲折あったものの、翌日には学校へと戻った。
それから、約1週間後、
「うぅ・・・・・・。あぁ・・・・・・」
魔理亜は寮の自室で目を覚ます。
「あぁ・・・・・・? あぁ」
魔理亜は自身の置かれた状況を理解する。
「どれだけ寝てたんだろ」
魔理亜は窓まで歩き、カーテンを開け、外の景色を見る。外は日が傾いている。
「もう夕方なのね」
ドアがノックされる。
「魔理亜ちゃん?」
魔理亜が答える。
「何?」
勢いよくドアが開かれる。
「魔理亜ちゃん!」
琴葉は魔理亜に飛びつく。魔理亜と琴葉はそのまま倒れる。
「痛っ」
「あぁ! ごめん! ついつい」
「大丈夫だよ。多分私も1週間くらい起きなかったんでしょ?」
「その通りだよ! もうすっごい心配したんだから!」
「ごめんね」
「目覚めたんなら良かったよ。私なんかもう目覚めないかと思ったよ」
「割と冷たいな」
「嘘嘘冗談。でも心配はしてたんだよ?」
「分かってるよ」
「高校生の1週間の休みは辛いんだぞ?」
「分かってるよ。ちなみに、どれぐらい進んだの?」
「結構」
「具体的に言って貰いたいな」
「たくさん」
「変わってないよ。そう言えば、部活とか入ったの?」
「入ったよ」
「何部に? ここ結構部活あったと思うけど」
「探偵部」
「探偵部?」
「うん。探偵部」
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