第15話 ゲーム終了
「アイツのやりたい事は何なのよ・・・・・・」
魔理亜は迷路に入っていく。腕輪は外されている為、能力は使い放題となった。
「ここはさっさと抜け出そう」
能力の使える魔理亜にはトラップなどは取るに足らない。全てが見え透いている。数分もせずに迷路を脱出した。
『流石だね。じゃ』
再び魔理亜に腕輪が装着される。
「今度は何がさせたいのよ・・・・・・」
『それは部屋に着いてから。安心して、今度はトラップは無いから』
「そりゃどーも」
魔理亜はイライラしながら通路を先へと進む。
言った通りで、通路にはトラップは無かった。
部屋は暗く、何も見えない。
『言った通りだろう?』
「知るか」
『さて、次はね、その暗闇の中で、鍵を探して、扉を開けてね。だけど、部屋には色んな物があるから気をつけて』
「めんどくさ」
魔理亜は恐る恐る歩を進める。少年の言った通り、辺りには大小様々な物が、乱雑に置かれている。
「こんなの、どうしろって言うのよ・・・・・・」
魔理亜は四つん這いで、床に落ちている物を手探りで調べる。
「おっ? コレかな」
鍵と思わしき物を手に取り、壁伝いで扉があるであろう位置に足を運ぶ。
「あった」
扉の鍵穴を手探りで探し、刺そうとする。しかし、何度やっても鍵はうまく刺さらない。
「クッソ! 鍵複数あんのね」
部屋中をくまなく探し、5本の鍵を見つける。
一本ずつ刺してみる。扉が開く。
「うし」
扉を抜ける。しかし、暗闇はまだ続く。
「まだあんのね」
魔理亜は部屋の探索を開始する。すかさず、カチッと音がする。
「は?」
魔理亜の足元で地雷が炸裂する。
「あぁッ!」
魔理亜は後ろに吹っ飛ぶ。壁に勢いよく当たる。
「がぁッ! うがッ!」
魔理亜はその場で悶える。少しして、
「あぁ・・・・・・。何なのよ・・・・・・。地雷なんて聞いてないわよ・・・・・・」
先程よりも注意深く部屋を調べる。何度か地雷を踏む事になったが、10の鍵を見つけ、合計で手元には15本の鍵がある。
魔理亜はそれを一本ずつ鍵穴に刺していく。扉が開く。その先は、明るい通路だった。
「眩しっ! はぁ、なんとか出れた・・・・・・」
通路を進み、先の扉を開ける。魔理亜の腕輪が外れる。
その先には少年が1人、椅子に座っていた。椅子はテーブルを挟んで二つ。その、奥の方の椅子に少年は座っている。
「おめでとう。見事攻略したね」
「アンタは何がしたかったのよ」
「アンタアンタって、ちゃんと名前で呼んでよ。僕にはカイラって名前があるんだし、昔は仲間だったんだから」
「嫌よ」
「そう。まぁ、座りなよ」
「なんでよ。皆の居場所を教えなさいよ」
「それは僕とお話ししてから」
「チィッ」
魔理亜は渋々椅子に座る。
「舌打ちした事は大目に見よう。さて、まずは思い出話から」
それから、数十分、魔理亜とカイラは話をする。
「そろそろおしまいにしよう」
「さて、何処に居るの?」
「この先の扉の奥さ」
「そう」
魔理亜は扉を抜ける。その先には、生徒や教師達、施設の人達がいた。皆、ロープで縛られている。全員が、グッダリと首を垂れている。
「そろそろ限界だと思うよ」
「どう言う事?」
「言葉のまんまだよ。人によっては命尽きようとしてるよ?」
「はっ?」
魔理亜は急いで全員の縄を解き、脈を調べる。
どうやら、全員まだ生きているようだ。
「良かったね。じゃあ、僕はコレで」
カイラはその場を去る。
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