第11話 林間合宿3日目だったはずの日
午前6時。魔理亜は目覚める。目覚めてすぐに周囲の安全確認をする。
「うん。大丈夫か」
しっかりと確認した後、鞄から様々な物を取り出す。十徳ナイフに、フラッシュライト、それ用の乾電池などなど。
「荷物検査の時に何も言われなかったのが不思議なくらいね」
魔理亜はそれらを、リュックサックに詰め込み、それを背負う。ドアにとベッドの柱を括り付けていたロープも外し、リュックサックに入れる。
「さて、行きますか」
部屋から出た魔理亜は速やかに二階を見ていく。その後、三階や、体育館も確認するが、手掛かりは何も無い。
「ちゅー事は、やっぱ外か」
魔理亜は外に出て、肝試しの際に通ったハイキングコースを歩いて確認していく。魔理亜と志那戯の襲われた地点まで来て、
「さて、何かあるとしたらこの辺ね」
魔理亜は草を押し分け、木々の間を通っていく。蔓等はナイフで切りつつ、奥へと進み、数分して、
「コレね」
鉄で出来た仰々しいハッチを見つける。魔理亜はハッチの取手を掴み、開けようと試みる。しかし、開かない。
「まぁそうでしょうね。そうなったら」
魔理亜はハッチに手を置く。すると、置いた所から赤くなり、デロデロに溶けて穴が開く。
「うし」
魔理亜は溶けた鉄が冷めるまでしばらく待つ。
「さてと、そろそろかな?」
鉄がある程度冷えたのを確認して、穴に飛び込む。下は横長な空洞となっていた。光は届いておらず、暗い。
「いっ! ・・・・・・下手に飛び込むんじゃなかったなぁ。意外と深かった」
魔理亜はフラッシュライトを付けて空洞を進む。
「コレは長そうね」
しばらく進むと、道が二方向に分岐している。
「取り敢えず左ね」
その先では三方向に、
「右かな」
その先は四方向に、
「何なのよコレ・・・・・・」
やたらと入り組んだ通路をひたすらに迷い5時間程して、広い空洞にたどり着く。
「はぁ・・・・・・。着いた・・・・・・」
空洞の奥には少年が1人、椅子に腰掛けていた。
「やぁ。久しぶりだね」
少年が魔理亜に向けて言う。
「そうね・・・・・・」
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