第10話 1人の夜、不安な夜
魔理亜は、宿泊施設の事務室をくまなく調べる。電話という電話が、全て使えない状態にされていた。自身の持っていたスマホで、外部に連絡しようとしても、繋がらない。
「こんなベタベタなサバイバルホラー的展開ある?」
誰もいない部屋で一人ぼやく。
「さて、どうしようか」
魔理亜は落ち着いて、外から調べる。
「特にさっきとは変わって無さそうね」
施設の外は静かで、風の流れる音だけが聞こえてくる。真夜中の為、暗くてよく見えない。
「はぁ。中調べなきゃなん無いのかなー。嫌だなー」
魔理亜は施設の中に戻る。魔理亜はスマホにしていた神器を拳銃へと変形させ、周りを注意深く警戒しながら調べていく。
「取り敢えず一階から見ていくべきかな」
部屋を一つ一つ丁寧に調べていく。
「どぉーもぉー。失礼しまーす」
最初に入ったのは、学習室Aと呼ばれる部屋。部屋には、長机が8つと、パイプ椅子が16脚。ホワイトボードが1つ。特に変わった所は無い。
「うん。クリア。さてと、次は」
魔理亜は先程の隣の部屋、学習室Bと呼ばれる部屋を見ていく。先程と同様の物があるだけで変わった所は無い。
「大丈夫ね。次」
学習室C、学習室Dも、変わった所は無い。
「この辺は大丈夫そうね。まぁ、何かあっても困るけど」
次に来たのは、食堂だった。テーブルと椅子が並んでいるだけで特に変わった所は無い。併設されている調理場も異常は無い。
「取り敢えず腹ごしらえしますか」
魔理亜は調理場に入り、適当に食材を使って料理をしていく。
「よく考えると、この状況で料理するって結構怖いな」
出来た料理を食べる。
「うん。まぁまぁ」
使った食器と調理器具を洗う。魔理亜は神器をスマホに戻し、時間を確認する。時間は午前4時。
「取り敢えず2時間寝ますか」
魔理亜は自分の寝泊りしている部屋に戻り、鞄の中を弄る。鞄の中から長いロープを出す。
「何故か鞄に入ってたロープ。まさかこんなとこで使う事になろうとは」
魔理亜はロープでドアノブとベッドを繋げ、しっかりと固定する。
「よし。大丈夫かな?」
魔理亜はガチャガチャとドアを動かして、外れない事を確認する。
「大丈夫そうね。さてと、寝よう」
魔理亜はベッドで眠りにつく。傍らに拳銃に変形させて神器を置いて。
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