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いつかまた会えたなら  作者: 真宵 小晴
9/19

海斗の勇気

今日は卒業式だ。

高校を卒業したらついに社会人になる。

「ついに卒業だな」

「早かったな」

友人が肩を組んできたのでそれを払いながら言う。

卒業アルバム交換もそこそこに俺は千鶴の教室に向かった。




しかし途中で後輩の女子に声をかけられ呼び出された。

「海斗先輩、第2ボタン下さい!」

女子の顔は真っ赤で友達が影から応援しているのが見える。

「ごめんな、第2ボタンはあげたいやつがいるんだ。ほかのボタンでもいい?」

「それって千鶴先輩ですか?」

千鶴の名前が出たことに心臓がドクリとする。

「そうだよ、ごめんね」

俺は代わりのボタンを差し出す。

「わかりました。ありがとうございます」

女子はそれを受け取るとお礼を言って去っていった。

俺ってそんなわかりやすいのか・・・?




「千鶴、もう帰れる?」

いつも通り千鶴を迎えに行き、一緒に歩く。

これは今日で最後だ。

「海斗、私もボタン欲しかったな」

千鶴の言葉に驚いた。



「あるよ、千鶴の分」

そういって俺は誰にも渡せなかった第2ボタンを千鶴の掌に置いた。

その時の千鶴の嬉しそうな表情を俺はいつまでも忘れないだろう。

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