5/19
海斗の秘密
今日も教室内は騒がしい。
授業中でも騒がしいのが俺のクラスの特徴だ。
千鶴のクラスはこんなんじゃなくて静かなのかな?
そんなことを考えているといきなり肩を叩かれる。
「海斗、昼休みだけど考え事か?」
声をかけてきたのは友人だ。
「いや、別に」
「じゃあ購買行こうぜ!」
「おう。早く行かないと売り切れるしな」
俺は友人と購買に向かった。
「そういえば千鶴ちゃんとどう?」
いきなり千鶴の名前が出たことに驚いた。
「どうって・・・まぁ、うん。」
「まだ海斗の気持ち伝わってないんだ?」
友人は俺の千鶴への感情を唯一知っている。
「千鶴のやつ鈍感なのかな?」
「海斗のアピール不足だな」
そんな会話をしながら俺は焼きそばパンを頬張った。
1日の終わりを告げるチャイムが鳴ると、俺は日課となっている千鶴のクラスへ向かった。
こんなに毎日一緒にいるのに千鶴は俺の気持ちに気づかない。
「やっぱアピール不足か・・・」
しかし毎日一緒に居れるだけでも俺は嬉しい。
こんな感情知られたら恥ずかしいから千鶴には秘密だけど。