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第9話

この話から週一更新になります。宜しくお願いします。

 そうそう、エンデューロ子爵家で執事だったオットーですが、私がリリパパとリリママと色々と相談し、リリパパがオットーを面談した結果、私が公爵家の後援で立ち上げる商会の責任者に引き抜きましたー。

 分かり易く言うと、雇われ店長ですね。はい、拍手ー。パチパチパチー。


 前々から、リリママがシャンプーやリンスを手に入れたいってあちこちの貴族のご婦人方々からせっつかれていた所に、私がデビュタントで着ていたドレスや身に着けていた小物が素敵だったと話題になってしまったそうです。


 その上、リリー関連で陛下からのお言葉をもらった私が、夜会の翌日に早々と、正式に公爵家の養女になったので、このチャンスを逃す手はないとばかりに、私が扱っていたそれらの品々を売りに出す商会を立ち上げてみたらどうかとの話をされましたー。


 元々は、エンデューロ子爵家から要らない子だと追い出される前に、その自活資金を稼ぐのが目的だったんだけどなー。どこでどう変わっちゃったのかなー?

 まさか、商会を立ち上げるとは思ってもみなかったんだよねー。


 魔法少女になりたかっただけの私が、商会の商会長になるって、くすぐったいわー。

 それに、執事のオットーも新たな働き口を得られて、あの家に勤めなくてもよくなったし、良かったかもしれない。


 商会を立ち上げるにあたって、発明家とか研究者と言われている変わり者達の面談を何人もしましたし。

 その中から、これは!という人だけを選んで、具体的にこれから何をするかを教えて面談をもう一度、しましたとも。


 うん!皆、二回目の面談をした人達は、とってもこだわりのある変人ばっかりだったわー。

 リリパパやリリママ、それに、アント兄様まで私と一緒に面談に立ち会ってくれて、非っ常-に、助かりましたけどねー。


 それでもね、二回目の面談ではやってもらう仕事の話をしたからか、シャンプーやリンスの話、貝パールの話をしたら、商会で研究してもらいたいとか、新しくしてもらいたい事があるとかを話した時の喰いつきもとっても良くなってくれたし、凄く乗り気になってくれたりもしました。

 それで、二回目の面談をした人全員、無事に私の商会との雇用契約書に署名をしてもらえて、商会の立ち上げの初期メンバーになりましたよー。


 将来的には、養殖真珠とかにも挑戦したいんだけどねー。それはまだまだ先かなー。


 あ、その中に綿花を研究していた人がいて、その人を主導に、羊毛綿でない、ぬいぐるみの開発をしてもらう事になりましたー。

 綿生地もあるにはあるんだけど、前世の日本の様に、高品質でなくってさー、品質が良くないんだー。そのあたりも今後の研究課題かなー。商品開発ともいうけど。


 羊もねー、毛糸にするには良いんだけど、ぬいぐるみの詰め物ににすると、そこはかとなく臭いんだよねー。ハーブだけの虫よけもいまいちだし、虫も()くし。


 地球ではどうかは知らないけれど、この世界では、ぬいぐるみが何だか臭いの。中に詰める羊毛の洗いが足りないんじゃないかと私は思っているんだけど。


 私は自分のぬいぐるみを持った事もなく、その辺を良く知らなかったんだけど、妹だったシルが、「こんなに臭い物は、セレナ姉様の方がお似合いよっ!!」って投げつけて来た時に拾い上げたから、この事実を知ってたんだー。


 ま、そのおかげで、臭くない詰め物をしようって思えたんだし。あの家から離れられた今は、その時の事を商会の商品開発にも役立てられるんだし、気にしたら負けな気がするから。とだけ言っておきまーす。


 商会の立ち上げで忙しい中、王子様達との(ケイン様含む)お茶会が王妃様主催で行われましたー。私にとっては非常に面倒くさいし、参加するのもイヤだったんだけど。


 お茶会で、初めてお会いした王妃様はとても綺麗で、良い匂いがしてました。


 リリママみたいと思ったら、その良いニオイは、私がリリママに渡していたシャンプーやリンスからの匂いでしたー。ちゃんちゃん♪


 王妃様から「マリー(リリママの名前)から、良い匂いのする洗髪剤を譲ってもらっていたけれど、貴女から譲ってもらっていたって聞いたわ。いつもありがとう。」って言われましたっ!


 どうやら、リリママ経由で、王妃様にシャンプーやリンスが横流しされていた模様。


 ちょっと待ったー!私、そんな事だとは知らなかったよー!?!誰かー助けてー!と内心で大慌ての私が心の中で絶叫して、地球で有名だった絵画の様に叫んでも、物事は進んでいくのでした…。ガックシ。


 王妃様からは是非、義理の娘になって欲しいと懇願されるし、どうしよう?ダラダラと冷や汗が止まらない…。


 そして、私と同じテーブルには、リリママと王妃様が私の両脇を固めるように座っていらっしゃいますー。

 バーンノティス王太子様とケイン様がとっても良い笑顔でキラキラとお茶を私の向かいの席で飲んでま・す。


 …王妃は遠慮したい。脳筋も遠慮します。是非とも、他の王子様かケイン様辺りで、済みますように…!!


 私の祈りも虚しく、第2王子のビートエンドラ王子様が、宰相見習いをなさっていると自己紹介がありました。

 その後は第3王子の将軍補佐のブライトン様や、第4王子のベントルック様は義自身の事を宰相補佐見習いと将軍補佐見習いを兼任していると言っていましたねー。(この方が多分、予備だと思う。)それぞれの自己紹介をして下さいました。


 王太子のバーンノティス王子様から第4王子のベントルック様まで交代で、私の向かいに座って、お茶を飲みながらのおしゃべりをしましたと、さ。


 あ、アント兄様はケイン様と入れ替わりで、私を見守る係になったそうです。それって必要だったの?とは言えなかったし、言う暇もなかったので、そんなものなんだと思う事にして、気にしない様にしましたよ。


 どうやら、第2王子のビートエンドラ様と第4王子のベントルック様の両名は、私の事を王太子様とケイン様から聞いていたのと、夜会で参加した時の私の装いを覚えていたらしく、やたらと沢山の話をする羽目になってしまいましたー。へにょへにょ。


 第3王子のブライトン王子様は、やはり脳筋王子だった様で、リリーや私の居る公爵家ではない家の公爵家の娘さんと恋仲だそうです。

 色々とそのお相手の事を話され、婚約間近だと惚気られました。要するに、好きな人がいるので、貴女の結婚する相手にはならないと遠回しに言ってきたんですよねー。入る隙間もないんだと言われたんですー。


 地頭は王子教育をされているくらいだから、元々は悪くないんでしょうが、このお茶会に参加している時点で、恋仲の女性を心配させて不安にしているのだと言ってやりましたわ。


 おーほっほー!脳筋は好きじゃないんで、ズバッと切り捨ててやりましたともー!相手の女性が気の毒になったりした気持ちが、多少はあった事は否定しませんよー。


 私が国母や王妃になるのは無理だと遠回しに断っていると、ビートエンドラ王子とケイン様が、私のする話への食いつきが良くなりましたねー。


 その代わり、バーンノティス王太子様の機嫌が悪くなりましたけどねー。ははっ。王妃にはなりたくないんですわ。


 王妃様も、リリママから私について何かしらを聞いていたようで、「王妃業は子を産む事だけを考えていればいいのよ。」とか、「難しくないから大丈夫よ。」ってな、押せ押せアピールが凄かった・で・す。

 これは、バーンノティス王太子様が何かしらの根回しを王妃様にしたのではないかと疑っています。


 でも、その手には一切、乗るつもりがないので、第2王子のビートエンドラ様からはこの場だけで、「ビート」と呼ぶ許可を、ケント様からはこれからも名前呼びをするようにと許可されましたので、「ビート様」「ケント様」と呼びながら、話をしましたとも。


 ただ、帰り間際に、第4王子のベントルック様から、「僕も婚約者がいるのを王家と公爵家だけしか知らないので、この場に参加したんだけど、相手も了承しているから大丈夫なんだ。ごめんね。」と、こっそり謝罪してくれました。


 それを見ていたパーンノティス王太子様が何か勘違いをしたようで、その翌日に王命で「バーンノティス王太子様の愛称呼びをセレナ・レンブラントだけに許可する」なんて大層なものが届いて、リリパパとリリーを大爆笑の渦に落としてくれましたとさ。


 あの王太子様、一体、何を考えてるんだろうか?私にはまったく理解が出来ないなー。


 ちなみに、リリーと私の居るレンブラント公爵家以外の公爵家では、第3王子と第4王子のお相手の他には女性が産まれずにいた為、王家から、公爵家の嫡男の所へ姫が嫁入りする事が決まっています。と言うか、正式な婚約を王家と交わしているんだそうですよー。


 そんな中、王太子様と第2王子様と宰相補佐のケイン様の所は、婚約者が決まっていなかったのだとか。


 私の明日はどこに向かっているのでしょうかー!!!


 魔法が使えたら、いいえ、魔法少女だったら、ホウキに乗って、ここから逃げ出して、どこかで普通に暮らしているでしょうに…!!


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