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第15話

時間がズレて遅れましたが、投稿します。宜しくお願いします。

 リリママに相談する事を決めたのはいいけど、頭の中がまだ、ぐちゃぐちゃな部分があったからか、朝食の後にもう一度、ベッドの上に寝転んでみた。


 頭の中に思いつく今の自分の気持ちを並べていく。


 私は、自分の都合で勝手に作って産んだ子を駒のように動かそうとする、自分の好きなようになると思っている、エレイン母様を許せなかったし、許せないと思ったのだ。


 正式でも非公式でも、母から娘への謝罪は、ひとつもなかったのだから。


 アント兄様のスペア代わりにしようと2人目を生んだけれども、生まれた私が女だったから、子爵家に産んだ私をどう育てても、どう扱ってもいいって事にして、子爵家を追い出されるまで放っておいたのも計画のうちだったのでしょうね。


 邪魔な女の私が母様の駒として必要にならないようだったら、そのまま追い出して見殺しにしていたんでしょうね。


 要らない子だから、子爵家に捨て置いていただけだって、ドリー侯爵家の方々はあからさまに言いたそうにしていたものね。

 それとも、どこかに政略結婚の駒として役立てようとしていた矢先だったのかしら?


 だから、子爵家から私が放り出されるのを待っていたのかな?後妻のあてとかで、需要があったのかもしれないわね。後で揉めたくないから、この辺をリリパパに調べてもらおうっと。


 ドリー侯爵様も、愛情表現の下手な女性だとエレイン母様を言うなら、親戚の私を助けてくれればよかったのに!あれ?侯爵様とは、年の離れた兄妹だったのでは?えー!やだなー!その事実は封印!!


 いくら愛情表現が下手でも、私が弟や妹だと思っていた者達からいじめられているのを見ても、絶対、助けてくれなかったじゃない!見て見ぬ振りで、一番、私を無視していた人が、愛情表現が下手だって言うだけで済むかって言うの!!愛情が皆無と表現するのが、ピッタリだったわね!


 それに、どんな理由があろうとも、愛せてもらえなかった私は自分が惨めで、辛かったのだったと理解していたのだから。


 どの世の中にも、自分の産んだ子を愛せない母親がいるのも、自分で産んだ子を邪魔に思って、手にかけて虐待したり、殺してしまうような母親がいるのも知っていたけれど、どこか他人事に感じていた。


 どれもこれも、前世の子育て中の私の身近では見たり聞いたりしなかっただけで、ニュースでは連日の様に報じられていたのにも係わらず、自分には遠い世界だと思っていました…。


 それが、私がこの世界に生まれ変わった事で、その愛されない方の子の立場で、たいした理由もなく虐待を繰り替えされる当事者でなければ知り得なかった、苦しさや寂しさ、虚しさや辛さを無理やり理解させられたのは、どういう事でしょう。


 そこまで、私をここに生まれ変わらせられたモノに、私自身が嫌われでもしたのでしょうか?


 頭の中がぐるぐると取りとめのない事で一杯になってゆく。それでも、胸の内にあふれた悲しさやもやもやした気持ちは晴れなかったんです。


 ケイン様の事もそう。


 ケイン様が自分の結婚する相手の条件に一番近かったっていうだけで、惹かれていたのは本当だったけど、母様、ううん、もう母親じゃないって告げたから、エレイン様だよね。

 そのエレイン様と結婚したケイン様を見ても、胸がむかむかするだけで、ちっとも残念には思えなかったんだ。


 私って薄情なのかしら?とも思ったぐらい。


 条件だけを見て、恋をした気になっていたのね。前世で恋をした時のような高揚感もなかったし、エレイン様と並んでいたケイン様を見ても、嫉妬もしなかったわ。


 だから、ビートエンドラ王子様に抱き締められて、キ、キスまでされた時にドキドキしたのよ!!


 あー、あんな形で、王子様からのキスをされるとは思ってもみなかったわ。


 思い出すだけで、顔が赤くなって、ドキドキが止まらないじゃない!!もうっ!!


 侍女を呼ぶベルを鳴らして、リリママに相談したいことがあるので、いつなら大丈夫かを聞いてもらえるようにと、侍女の人にお願いをして、それと、昼食は、自室で済ませるからとその手配を頼んだのだった。


 昼食を自室で済ませた後に、リリママ付きの侍女さんから、「3時過ぎなら私の部屋でお茶をするならいいわ。」と言うリリママの返事をもらったので、一安心。


 その時間にリリママの部屋へお伺いをすると返事を返した所で、ビートエンドラ王子様の事を何も知らないのだと気付いたのでした。


 うん。リリママに相談がてら、色々と聞かなくっちゃ、ね。


 ああ、魔法が使えたら、エレイン様には、足先をかならず壁にぶつける地味な呪いとかをおみまいしてやるのに!ケイン様には、子が出来にくくなる呪いでいいわよね。はぁっ、魔法があるといいのになぁ。

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