第12話
投稿予定を設定し忘れていました。すみません。
次話は、出来るだけ早く投稿しますので、宜しくお願いします。
リリパパが、公爵家に戻ってこれたのは、あれから2月後の、王子達の私への接近禁止が解かれてからでした。
リリパパは、私やリリママ、リリーへの謝罪をしてくれました。但し、リリママからリリパパへのでっかい釘差しがされましたけれど。うーん、この女性が公爵家では最強ですわね。
「セレナが生まれついての公爵家令嬢ではない事を養女にした貴方の方が、陛下や王家よりは解っているでしょうに…!
それなのに、りりーと同じような扱いをしてしまうなんて、貴方が信じられなくなりそうよ。
セレナが殺される原因を陛下と貴方が作った上で、何かのはずみでセレナが暗殺されたらどうするの?
貴方が責任を取れる事なのかしら?
セレナは生家を無一文で追い出されるからと、我が家の養女になったのですわ!その事をお忘れになるような残念な頭の中身なら、公爵家の爵位をリリーに譲るか、爵位を返還なさってはいかが?
私は、リリーとセレナと一緒にこの家を出て、父から嫁入りの際に受け継いでいた爵位がありますので、いつでもその爵位で伯爵になりますし、なれますわ。」
リリママの脅しともとれる発言には、離婚もするわよ、何ならすぐにでも別居もする?いつでもオッケーよ宣言が込められていました。
「さすが、ママだわ!私も見習わなくちゃね。」リリーがうかつな発言をしましたわ!
そ、それは、お兄様の息の根を止める宣言でしょうか?待って!妹として阻止しなければ!それに、私とお兄様の兄妹の絆まで壊す気なの?そうするなら、私も命がけで阻止しますわよ…!
「リリー!お兄様はそんな事をするような性格ではないわ!知っているでしょう?ね、それ以上、馬鹿な事を言わないで!うかつ過ぎるわ!
リリーは私とお兄様の兄妹の絆をも壊す気なの?
その気なら、この家から出て、お兄様と私で暮らすわ。命を失うなら、自分の気が済むように生きたいですもの。
ねぇ、リリーこそ、今の発言は本気なのかしら?じっくりとお聞きしたいわ。ねぇ?」
真顔で、無表情になっていただろう私を見て、リリーの顔色が段々と悪くなっていった。
私は本気だから。リリーこそ、そんなに軽い気持ちでお兄様と結婚するのかしら?幸せになるならともかく、お兄様を不幸にするだけの縁組なら、あの家でたった一人の味方だったお兄様を不幸にするつもりなら、妹の私が許さないけどねぇ?そこの所はどうなのかしら?ねぇ、リリー?
「ごめんなさいっっ!!!そんな気はないですっ!!面白そうだったのでママの発言に乗ってみただけですっ!ごめんなさいっ!!セレナ!許してっ!!」
「…そう?本気ではないのね?」
「はいっ!すみませんっ!出来心で言っただけですっ!」
「出来心かぁ、リリーは出来心でお兄様を不幸にするような事を気軽に言えるのねぇ?ふぅーん、そう。」
「もう二度と言いませんっ!ごべんなさいっ!!うわーーーーーん!!!!」
リリーは反省の弁を述べながら、号泣しだしました。
こちとら、お兄様が不幸になるような結婚を許す筈がないのですけれどぉ。リリーは軽率にポンポンと発言する時があるので、その辺を直してもらいたかったし、気を付けてもらいたかったんで、私もリリママを見習って、リリーにでっかい釘差しをしてみましたわ。おほほほほほほほーーーっ!
「リリー、貴女は時々、うかつ過ぎる事を言うから、反省なさいと私やパパも前から言っていたでしょう?
妹を守る為に一人で努力していたアント殿が、その妹であるセレナに敵認定されてでも、貴方と結婚する気になるかしら?よく考えればわかるでしょう?
泣いて謝っても、誰も貴方の発言の責任を取れないわ。貴女が成人して、公爵家の名を名乗るのだったら。自分の言う事に責任を持たなくてはね。
セレナが言わなければ、ママである私が貴女を責めていたわよ。」
溜め息をはきながら、リリママがその後もリリーを説教し続けました。リリパパは、自分がうかつな事をしたばかりで、やっと家の中に入れるようになったばかりなので、黙ってこの成り行きを見ています。
そっか、リリパパのうかつさをリリーが受け継いだんだなー。厄介な…。お兄様の子に受け継がれないといいけれど。
そのリリパパが私の隣にすすっと来て、リリママに説教されているリリーとの間を邪魔しない程度の小声で、私に謝罪してきました。
「済まない。つい、セレナが商会を立ち上げる程に優秀だったので、リリーと同じ扱いをしてもいいのだと思い込んでしまったんだ。王妃様にも褒められていたしな。
王子達にも自慢のご令嬢だと褒められて、陛下の発言についつい乗ってしまったのだ。
済まなかった。
着の身着のままで生家を追われるのは気の毒だと思っていたし、リリーの嘆願もあったので、養女に迎えたのだが、そんな事を忘れる程、この家に馴染んでくれていたんでな。嬉しかったのだ。
私達、公爵家の者達や、王家では暗殺される危険を避ける教育をされるのが普通で、な。
その事自体、伯爵以下の貴族では行われない事を忘れてしまっていた。その結果、セレナ嬢に迷惑をかけてしまったのだ。
セレナ嬢の兄のアント殿にも私の方から何度も詫びておいたので、リリーとの婚約を解消せずに済んだのだよ。
私も人間であるのだと結構、この2月の間に反省したんだが、セレナは娘として、不甲斐ない私を許してくれるだろうか?」
そうか。リリパパも反省したんだ。次に何かあったら、リリママに相談しようっと。仕方のないパパだ事。養女にしてもらえたから、今回は目をつぶりましょうか。殺されてもいないし、ふざけたような王命もなくなったし、ね。
「パパ、私も人ですから間違える事もありますわ。ですから、パパの謝罪を受けます。
王命もなくなったし、暗殺者を向けられる前でしたから。
それらは、ママや王妃様が手を打ってくれたからですけれど。その結果、何もありませんでしたわ。
養女になったら、違う心配をしなくてはならないのかと落ち込んだりもしましたけど、私がこの選択をしたからこその道なんですし、受け入れますわ。」
「セレナも精神的に強いね。公爵家の養女にしても大丈夫なようで、別の意味でも安心したよ。
そうだ、侯爵家の従兄弟のケイン殿が婚姻したんだ。昨日だったかな。届を王城に出されていたよ。」
「はぁ?ケイン様がですか?と、突然ですね。」
うっそー?!王子以外の嫁ぎ先がなくなったってー?!どうして?へ?!
「ケインの父親で侯爵家の当主であるヘイルズ殿とな、昨日、王城で偶然に会ったんだ。その時に王城に来た理由を話してくれてな、セレナ嬢には申し訳ないと謝って欲しいと伝言されてしまったんだ。」
誰と?それも婚約を飛ばしてまで、婚姻をしたんでしょうか?出来婚?まさかー?!
「セレナ?聞いているか?」
「はい、聞いていますわ。パパ。」
「相手はな、セレナとアント殿の母のエレイン殿なんだそうだ。」
えーーーーーーーー?!お母様がーーー?!お母様って、お父様と結婚していたんじゃないのーーー?!
「あなた!私もその話を詳しく聞きたいわ!!」「パパ!私もよ!」
リリママがしていたりりーへの説教はどうしたんでしょう?ともチラッと私は思いましたが、それよりもケイン様の婚姻の方が私に関連していますし、重大な話だと思えたのです。
何せ、私の婚活に関する事とお母様の事ですもの。そっちの方が気になりました。
「お母様とケイン様が結婚を…。」
私の頭の中は?の嵐でした。詳しい話をするのはアント兄様が帰宅してからになりましたが。
私の頭の中では、理解不能としかはじき出せず、アント兄様の帰宅を待って、公爵家の皆と一緒にその話をする事になりました。
魔法が使えたなら、パパッと過去を見る事も出来たでしょうに!もどかしいなぁ。何があったんでしょうか?謎です。
あらすじ通りに話が動き出しました。宜しくお願いします。