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大阪とヘルシンキ
短くてすみません。少しずつ長くしていきます。
アンナは飛行機から降りてまずユキの電話番号を押した。「でて、頼むから、電話に出て!」アンナはスーツケースを転がしながら心の中で呟いている。
なん年ぶりだろう、この電話番号を押したのは、アンナは考えてもいない。大阪とヘルシンキの時差は、それも考えていない。ただひたすらユキが電話に出ることを祈っている。
「もしもしぃ、アンナ?どうしたの?」ユキだ!眠たそうな声だけど、間違いなくユキだ!
「ねぇねぇ、ユキ、話を聞いてよ!」なんの前触れもなく、なんの挨拶らしき物もなく、なんの近況報告もなく、アンナはスーツケースを止めて、一息を吸って、小さい声で一言一言ポツリポツリと言った。
「わたし、先輩と一線を超えそうになった、」