アメリカ合衆国
日本国 首相官邸
「なるほど、それで我々に力になってほしいと?」アメリカ大使マイルズはにこやかに言う。
「ええ。その通りです。」首相は言う。
「それで、私たちは報酬として何を頂けるのかな?ミスター安田
。」
「参加した兵に3000万円を支給すると同時に、自衛隊で雇用と言うのはいかがです?」
「ハッハッハ!面白い冗談だ。ミスター安田。知っているだろう。我々の望むものはただひとつ。新天地だよ。」
旧アメリカ大使館はアメリカ復活を熱望している。幾度となくそれを伝えてきたが、アンゴラス帝国との戦闘を理由に回答を延期してきた。
「総理…。」外務相は総理を見つめる。
「アンゴラス帝国との講話条件に島の割譲を認めさせ、それをお譲りするという事ではいかがです?」この世界にアメリカが復活するということは、日本が持つ技術的アドバンテージが激減するということを意味する。しかし、背に腹は変えられない。
「素晴らしい条件だが、まだ足らない所がある。」
「何でしょうか?」陽気な口調にうんざりしながら総理は聞く。
「一つは島の大きさだよ。小島を与えられては叶わないからね。5千平方キロメートルは欲しいね。それと武器弾薬、そして石油資源の定期的な輸出。そして、開拓から5年間の経済的支援だ。年に1000億は必要だろう。」
あまりにも欲の張った主張に会議室の空気はよどむ。総理が口を開く。
「大使、ならばこちからも条件を付け加えます。佐世保港に停泊中の空母とイージス艦3隻をいただきたい。」
「何をおっしゃられる。あれはアメリカの宝だよ、ミスター安田。そう簡単にあげられるわけないじゃないか。我々の協力がなければ、大艦隊を食い止められないのはわかっているはずだろう。何人の日本国民が不幸な目に遭うことか。」
「その中には何人のアメリカ国民がいるのでしょうかね。」日本に観光に来たきり、帰れなくなったアメリカ国民は7万人人にのぼる。その事は双方ともよく知っている事実だ。
「大使、日本が滅ぶときにはアメリカ復活の夢も消える。我々は運命共同体なのですよ。貴方達は日本を守らざるを得ない。」総理が言う。
「クッククッ、プハハハハ!」大使は突然笑いだす。
「何かおかしいことでも?」
「日本も言うことを言うようになったじゃないか。ただ、その条件では空母はやれないな。空母を譲るかわり、日本は10年以内に軽空母作りをアメリカ合衆国に引き渡す。これでどうだ?」
「では、交渉成立ですね。」
総理は慣れない作り笑いを浮かべマイルズは握手を交わすのだった。




