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アミル王国戦(下)

アミル王国 王都沿岸

「急げ、こっちだ。早くしろ!」何人もの兵が魔道砲を定位置まで引っ張る。

「んっ?何だ!」

「ババババ」という五月蝿い音に中尉は気付き、音源を探す。

「中尉、上空に飛行物体!」そこに浮かんでいたのは、不思議な形をした虫のような物だった。その虫は光の矢と雨を戦列艦に降らし、ただの木片へと変えていく。

「撃ち墜とすぞ!術式展開、ファイヤーボール撃て!」杖より幾つもの火の玉が戦闘ヘリへ向かうが、一向に当たる気配はない。こうしている間にも味方の船はどんどん沈んでいく。

「くそっ!対空魔道砲さえあれば。」中尉は火の玉を撃ちながら嘆く。気がつけば味方の船は全て沈み、司令部も破壊され、残っているのは彼らだけになっていた。

「くそっ!当たれ!当たれ!当たれーーグハァ」彼の願いも空しく、火球は掠りもせず駐留軍残存部隊は、ヘリの機関銃そしてロケット砲により一掃されたのだった。


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アミル王国 アビゲイル 石油精製所

金属製の巨大な塔が並ぶこのエリアは、ヒルメラーゼ共和国が借り上げた土地であり、アミル王国国民どころか、許可が無ければ帝国人すら入ることは許されない。その管理棟にて。

「所長!タンカーへの積載が間もなく完了します。」女性秘書が言う。

「そうか、予定通りだな。よくやってくれた。それより今晩一杯どうだ?」

「お断りします。」棟内にはいつもと変わらぬ空気が流れていた。しかし、変化は突然現れる。

「所長っ!大変です。海に船が!」従業員が息を切らしてやって来る。

「どうした?海に船があるのは普通じゃないのか?」所長が聞く。

「違います。アンゴラス帝国軍とも、ヒルメラーゼ共和国軍とも違う軍艦が接近しているんです。」

「なんだと!」

「所長、どうすれば。」

「一応、救援を要請しておけ。」

「はい、分かりました。」所長は未知の存在に頭を悩ませるのであった。


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第4護衛艦隊群 第8護衛艦隊 旗艦しまかぜ

「あれは、多分違うやつだよな。」金属の塔、幾重にも張り巡らされたパイプ、そして白くて丸い建物を見て司令は言う。

「はい、攻撃目標は黒いゴシック様式の塔のはずです。」

アミル王国からの情報によれば、王都近くと今見ている場所の二ヶ所に、アンゴラス帝国の建てた巨大な塔がそびえ立っているとのことだった。

「明らかに、工場じゃないか!」

「アミル王国には、重化学工業はありませんので、高い塔で一括りにしてしまったのでは?」

「どちらにせよこの地域はアミル王国人の立ち入りが禁止されている。つまり、武装勢力の拠点だ。制圧するしかあるまい。ただ、重火器の制限は制限する。爆発してくれれば困るからな。」そして艦隊はゆっくり港へと近いていく。


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アミル王国 アビゲイル石油精製所

「所長!何者かが港より上陸してきました!」

「どこの国の連中だ?」

「船に掲げてある旗を確認しましたが、見たこともない国章です!」

「現在、保安員が対応しておりますが拳銃一丁では手も足も出ないようです。」入ってきた原住民を排除するための警備体制しか整っておらず、あちこちで混乱が起こっている。

「投降しよう。」所長は意を決したように言う。

「しかし、ここは共和国の2割の石油を…」

「命には代えられんだろ。侵入者のところへ案内しろ。」


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拳銃を持った敵を、自衛隊は次々排除していく。敵はまともな統制も執れておらず、一人ずつ現れ各個撃破される。大半の作業員は銃声の聞こえた方向から逃げていく。

「陸尉、敵の武器は魔法の杖だと聞いていたのですが、銃もってますよね?」

「俺にもよくわからん。」陸尉は困惑する。

「10時の方向に、接近中の人影を確認!」

「了解、排除する!」そう言うなり、銃口をその影に向ける。

「撃たないでくれ!私はここの責任者だ。私達は降伏する。」髭の生やした男は両手を上に挙げながら言う。

「よし、身体検査をした後、拘束しろ!」隊員達は動き出す。

「この施設に放送設備はありますか?」陸尉は秘書と思わしき女性に問いかける。

「はっ、はい!あります。」女性は慌てて答える。

「案内してください。」

「こちらです!」数分後、アビゲイル石油精製所全域に降伏の報が伝えられ、戦闘は終結した。










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