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国際会議(下)

ベラルーシェ大聖堂 来賓用食堂

数人前はあるのではという大量の、それでもって美しい料理がアンゴラス帝国、それぞれのテーブルの上に並ぶ。夕食は立食形式であり、各々が談笑している。

「あら、ケニスさんじゃない。、お久しぶりです。」そう声をかけてくるのは、ヒルメラーゼ共和国、外務相ヘレナだ。

「お久しぶりです。お元気そうでなによりです。」

「ケニスさんこそ。そういえば、不思議な噂を聞いたの。聞きたい?」ヘレナは妖艶な笑みを浮かべ言う。

「是非とも。」別に聞きたくはないのだがそう言うしかない。

「とある帝国の船が数百隻、新天地を目指して旅に出たの。だけれど戻ってきたのは半分もないんだってね。怖い怖い。」ヘレナはクスクス笑い言う。

「それは不思議な話ですね。私にとっては突然脈絡もなくこんな話をする貴女のほうが不思議なのですが。」

「さてね、心当たりはあるのじゃないかしら?」

「全く身に覚えにありませんね。」

「あらそう、失礼したわね。クスクス」笑いながらヘレナはケニスのもとを立ち去る。

「やはり、持ってきてよかった。」ケニスは懐から胃薬を取り出し、飲み込むのだった。

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ようやく教典暗唱の儀が終わり、現在大聖堂では実務的な会議が行われている。

「…。極付近に生息する魔法生物を駆逐出来れば、魔石の安定供給が可能になるのは確かです。数年以内に、合同で調査団を派遣してはいかがです?」コングラー公国、外務相ワイアットが言う。

「取り分は、4等分で構いませんよね。」アンゴラス帝国外務相、ケニスが言う。

「取り分を争うために無駄な血を流すつもりはありませんわ。」ヒルメラーゼ共和国外務相、ヘレナが言う。

「それでは、全会一致でよろしいですね。」大司教セオドアが言う。

「それでは次にアンゴラス帝国の方?何かこの場で議題にしたい事はありますか?」セオドアはケニスに話を促す。

「議題ではなくこの場を借りてご報告したいことがあります。今回の召喚地についてなのですが、想定より人口が多いため、大陸軍の動員を致します。」

「蛮族相手に過剰戦力でしょう?それとも蛮族にてこずっているとか?」ヘレナは馬鹿にしたように言う。

「まさか。いつもなら首都に攻めこんで、王を脅すか殺すかして掌握するのが、今回はそれをきっかけに小さい国に分裂してしまい、人手が足りないというだけです。」ケニスは淀みなく答える。

「私も過剰戦力であると思います。列強の主力が動くという事の影響を考慮してください。」ワイアットが言う。

「その主力軍は、長年の平和で十分な練度が保持できていないのです。実戦を経験するいい機会でもあります。お約束致します。此度の大陸軍動員は、召喚地のみを意識したものです。他国の権益を一切侵害するつもりはありません。」

「もしも、それが嘘なら…。分かっておられますね?」大司教セオドアが冷たい声で言う。

「はい、もちろんです。」ケニスは汗をかきながら言う。

「貴国の国境付近で近々、我が国の艦隊の演習が行われるやも知れませんが、あくまで演習です。変な気はくれぐれもおこさないように。」ヘレナは言う。

「分かっております。」


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サマワ王国 臨時日本大使館

現在、港の整備や鉄道の敷設も途中であり、大使館を建設する余裕がないので、サマワ王国より建物を借り受け大使館として使用している。

「お久しぶりです。カンタレラ王国使節のラッセルです。」

「こちらこそお久しぶりです。」外交官、天田が言う。

「国王陛下は、貴国の技術力に深く感動しておられました。そこでカンタレラ王国は、非道な武装勢力の討伐を日本にお願いしたいと思います。」

「かしこまりました。日本は、対価として日本への食糧、鉱物資源の輸出、及び戦費の支払い、地下資源の共同調査を望みますがよろしいでしょうか?」

「かしこまりました。カンタレラ王国をどうかお願いします。」ラッセルと天田は握手を交わすのだった。


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日本国 首相官邸

「総理、カンタレラ王国からも武装勢力の討伐依頼がありました。これで13ヶ国目です。第三、第四護衛艦隊群、及び陸上自衛隊を輸送艦で送ります。」外務相は報告する。

「使節を送ったのは14ヶ国だった気もするが…。あれだけ力を見せても不十分だったのか?」総理はいぶかしむ。

「政変により親アンゴラス帝国派が実権を握ったとのことでした。」

「そうか、とりあえず食糧難は乗り切れそうだな。」総理は安堵する。

「まだ、安心しないでください。武装勢力を討伐していないのですから。」防衛相は言う。

「そうだったな。」総理は緩んだ気を引き締めるのだった

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