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ベラルーシェ教国

「あれが、ベラルーシェ教国の教都、メイナード…。なんて大きさだ。」外交官護衛艦隊司令、ヒューゴは驚愕する。

突起の付いた円形巨大な壁に囲まれた街。上から見たら巨大な歯車のように見えるだろう。その壁から、金で装飾された白い塔が何本も覗く。

「ヒューゴ君、それよりあっちを見たまえ。」外務相のケニスが、街より少し離れた港を指差す。

「なっ!」そこには、各国の護衛艦隊が既に入港していた。鋼鉄でできた船、浮いている船、そして白い美しい船があった。

「ベラルーシェ教国に敵わないのはわかっていましたが…。」ヒューゴは言い淀む。

「遠慮せんでいい。私は何度も会議に来ているのだ。はっきり言おう。我々は四列強の内で序列は最下位だ。」ケニスは残念そうに言う。

「ヒルメラーゼとコングラーが魔道研究を断念し、科学を研究し始めた時は馬鹿にしたものだったがな。今は国の威厳を保つため鎖国せねばならん状況だ。魔道文明の優位。それが国民の心に根付いている。今さら科学を研究するわけにもいかん。ヒューゴ君。ここで見たことは忘れるように。」

「了解しました。」ヒューゴはやけに小さく感じるローレンス号に目を落とすのだった。


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船から降り、桟橋を歩いていると目の前に不思議な四輪の箱が停まる。その箱から金で縁取られたローブに身を包んだ修道士が降りてくる。修道士は上品に一礼すると話始める。

「アンゴラス帝国の使者様ですね。ようこそおいでなさいました。私、皆様のご案内を命ぜられましたエステルです。会議は今日の午後3時より始まる予定ですので、それまでは私室にて旅の疲れをお癒しください。ご質問が無いなら、早速ですがベラルーシェ大聖堂にご案内致します。聖神ベラルーシェのご寵愛があらんことを。」修道士はケニスと部下を、箱に乗るように促す。ケニスと部下が乗ると、やがて箱は動き始めた。ケニスは外を眺める。

ベラルーシェ教国が小国であった頃より、数多の侵略を跳ね返した巨大な壁。それを潜るとまるで別世界に来たような錯覚に襲われる。色ガラスをふんだんに使った優美な大聖堂。細部にまで装飾を施された巨塔。上を見上げると、白い高層建築物が互いに橋で繋がっており、まるで迷路のようだ。遠くにそびえる一際大きな建造物。天に刺さらんばかりの巨大な尖塔を抱えるベラルーシェ教の総本山、ベラルーシェ大聖堂である。

「はぁ、気が進まんな。」ケニスは国力の違いを肌をもって感じるのだった。


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ベラルーシェ教国 ベラルーシェ大聖堂

様々な色のガラスに四方を囲まれ、天井には巨大な宗教画が飾られた部屋。その中で立派な白い髭を蓄え、白いマントを羽織った男が語りだす。

「皆様、遠路はるばる、ようこそおいでなさいました。この国の政を統括します大司祭セオドアです。それでは、各々が持ち寄った議題の議論を始めましょう。」


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