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外交使節団(上)

14ヶ国、100人以上の外交官を乗せた巨船が海を切り裂き進む。

「いやぁ、誠に素晴らしい船ですな。」アマリーナ公国の外交官が言う。

「お褒めいただき光栄です。船に劣らず食事も素晴らしいですよ。」外交官の天田が答える。

「それは楽しみですな。」

「船の上で作った物とは思えないほどの美味しさでしたよ。」一度目の航海で既に食したサマワ王国外交官、リジーが言う。

「特にあの肉の柔らかさと、香辛料をふんだんに使った…」

「待て、待て、待て。楽しみが減ってしまうではないか。」アマリーナ公国の外交官が言う。

「明日はとうとう日本への到着ですな。楽しみでなりません。」サンドール王国の外交官が言う。船上には緊張感の無い雰囲気が流れていた。


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「おおっ!これが日本の首都か!」

「団長、はしゃがないでください。みっともないです。」

「あれほどの高さの建造物が、あんなにたくさん…」

「あんなにたくさんの巨船が…」

「見ろ!あの橋を。なんて巨大な橋なんだ。どうすればあんな物を作れる。」口々に驚きを語る使節団員達に天田は歩み寄る。

「皆様、間もなく日本の首都、東京へ到着します。到着後は、ホテルへとご案内致します。ここへは暫く戻って来ませんのでお忘れものにご注意ください。」デッキに集まっていた使節団員達はぞろぞろと自室へ戻っていった。


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到着した国は正しく異界の国であった。車輪の付いた鉄の物体が、猛スピードで継ぎ目が無いのではと思わせるくらい綺麗に舗装された道路を駆け抜けて往く。やがて一際大きな5つの鉄の塊が目の前で止まる。

「これが説明のあったバスという物ですか。」

「いったい何人入るのやら。」リムジンバスの扉が突如として開く。使節団員が驚きで一瞬身を震わせる。どうぞご乗車ください。天田が言う。しかし、未知の物体への恐怖からだろうか。なかなか前に進み出そうとしない。

「どうされましたか?」天田は問いかけるが、使節団員はお互いの顔を見合わせるばかりだ。

「フー。よしっ!乗るぞ。」意を決したかのようにサンドール王国の使節がバスへ乗り込む。各国の使節もビクビクしながらそれに倣うのだった。


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「まずはこの国の事を皆様によく知っていただこうと思います。」天田が使節に言う。

「お手元の資料2ページをご覧ください。この国の総人口は…」

「少しよろしいでしょうか。」カンタレラ王国の使節が言う。

「どうなされましたか?」

「文字が読めないのですが…」

「それは失礼しました。口頭にてご説明させていただきますね。」

「私の国でも召喚されたばかりのときは同じことをしました。」

「では、続けさせていただきます。日本の総人口は約1億2000万人、国民総生産はおよそ550兆円です。政治体型として議会制民主主義を導入しており…」

「すみません。よろしいですか?」アマリーナ公国の使節が言う。

「どうぞ。」

「日本には天皇陛下という方がいたはずなのですが?」

「天皇は国の象徴の様なものです。政治には関与はできません。」

「なら、何のためにいるのでしょうか?」この後も、少し話すと質問が幾つも出る、ということが繰り返され予定の4倍の時間が費やされた。









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