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サマワ王国空中戦(下)

客船 飛鳥Ⅱ

「アンゴラス帝国を名乗る武装集団がサマワ王国へ攻撃を開始いたしました。それにより飛鳥Ⅱの護衛についていた護衛艦2隻は応援に向かうため、その任を解かれました。現在、巡視船という海の警察のような組織の船が護衛の引き継ぎのため向かっております。」外務省の天田が使節団のルタに言う。

「そんな、もう攻撃を仕掛けてくるだなんて。」ルタが愕然とする。

「状況はどのようになっているのですか?」使節団員が聞く。

「およそ200匹の竜と交戦中とのことです。」

「200だと!そんな…」

「たった2隻で相手するなんて不可能だ。」

「ご安心ください。自衛隊が守りきってくれますとも。皆様はは予定通り日本をお楽しみください。」

「天田さん、我々もサマワ王国へ引き返すことはできますか?私は軍が解体されるまでは騎士隊長でした。年はとりましたがまだ戦えるはずです。それにあの灰色の船がどのように戦うか見たいのです。」ルタは決意を持って言う。

「しかし、予定を変更するわけには…」

「お願いします!」他の使節団員も頭を下げる。

しばらく押し問答が続いたが、結局飛鳥Ⅱはサマワ王国へ引き返すことになった。足の遅い客船に速度を合わせられないということで、護衛艦は先行する形となった。


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護衛艦 いかづち

暗いCICの中、焦った声が響く。

「敵機接近!」

「近接戦闘用意!」

「間もなく、ファランクス有効射程距離内に入ります。」

「敵騎、未だ100以上健在!」

「ファランクス撃て!」艦の前と中部構造物の上に設置されたファランクスが光の束を、撃ち放つ。しかし、敵の数は一向に減る気配はない。

「回避行動を取れ!面舵一杯。」

「了解。」

「敵騎発砲!」竜の口放たれた赤い炎の玉が護衛艦へと吸い込まれていく。そして船は衝撃に襲われる。

「被害状況を報告せよ!」

「救命艇破損!」

「通信アンテナ破損しました。」

「後部甲板にて火災発生!ヘリコプター発艦不可能です。」

「消火班を直ちに向かわせろ!」足音が艦内に響き渡る。少しの損害はあったものの、戦闘、航行に支障がでない程度であったことに艦長は安堵するのだった。


-----------------------

「そんな、確かに当たったはずなのに!」

「なんで沈まないんだ!」竜騎士たちの混乱は絶頂に達する。その間にも一匹、また一匹と竜は墜ちていく。そんな中、隊長はどのように戦うか思案に暮れていた。そして一つの答えを導きだす。

「竜を敵艦に体当たりさせる。当たる直前で脱出しろ!」

「無茶です!」ジラートが異を唱える。

「ならば、どうしろと言うのだ!このまま黙って全滅しろというのか!戦列艦隊がこちらへ向かっている。救助をしてくれるはずだ。」隊長は一呼吸置いて声を張り上げる。

「突撃!」


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「敵騎、再び接近してきます。」

「ファランクス有効射程距離に到達、射撃開始します。」

「しかし艦長。同じ事を繰り返すなんて何考えてるんでしょうかね。同じ結果になるに決まっているのに。」レーダー管制員が言う。

「気を抜くな!油断大敵だぞ。」艦長が叱咤する。

「申し訳ありませんでした。」緊張感はあるものの1度目の突撃ほど張りつめた空気はない。

「ん?敵発砲してきません。」

「引き付けて撃つんじゃないのか?」

「敵騎、依然として接近中」

「ぶつかります!」先程とは比べ物にならない衝撃が響く。

「被害状況を知らせ!」

「艦左舷中央部に浸水!」

「火器管制レーダー破損。」

「ヘリコプター格納庫全損!煙突破損。ガスが逆流してきます。」

「艦、傾いてきています。」

「機関停止。隔壁を閉鎖しろ!右舷に注水開始。」

「艦長、ありあけが!」

洋上には大きな炎をあげ、異様なほど傾いた護衛艦ありあけの姿があった。もう姿勢を戻すことは不可能だろう。

白竜74騎の体当たりのうち、いかづちに7騎が、ありあけに12騎が命中。数時間後、ありあけは完全に海の下へ沈むこととなる。











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― 新着の感想 ―
[一言] 流石に竜の体当たりがそんなに威力出るとは…ファイヤーボール待機状態で死ぬと通常の10倍の大爆発を起こすとかもっと説得力持たせた方が良い
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