Vol 9 3人目
スイマセン
今回はテスト中のために
ミニコーナーはお休みさせていただきます
3人目!!
「うっわぁ・・・・・・・・」
清次は埃っぽい布団の中で目を覚ました
昨日はあまりの部屋の汚さにそのまま寝てしまったのだ
そして清次が立ち上がり、とりあえず日光でも浴びようかと
外に出ようとしたとき
「キーック!!」
桐生がドアを勢い良く蹴り破られた
そしてただでさえ汚い部屋にドアが倒れこみ、埃が舞い上がった
清次も驚いていたが桐生の方が驚いていた
「やっちまった・・・・・、また給料から引かれる」
「まずドアを蹴りで開けようとするのが間違いだな」
清次は桐生に一言告げた後
固まっている桐生の横を通って外に出た
空は曇一つ無い晴れだった
「いい天気だなぁ、布団干そっかな〜」
部屋の中にある、日の当たっていない布団のことを思い出し
清次は部屋の中に入っていった
「お前いつまで固まってんの?」
「はっ、しまった。ついショックで・・・・・・・」
桐生はやっと体を動かした
清次は黙々と布団を物干し竿に引っ掛けていた
「そうそう、クレアから出動命令が出てたぞ」
その言葉に布団を干し終えた清次は反応した
「出動命令・・・・・?」
「そう、『嵐』の機体がこっちに向かってきてるんだとよ」
「それで?」
「DOLLで出ろってことだよ」
清次がショックを受けて固まっている間に
桐生は昨日と同じように清次を引きずって行った
5分後
「連れてきたぞ」
桐生は荒々しく『司令室』と書かれたドアを開けた
「遅い!」
「うっせぇ、すぐに出る!!」
クレアの怒りの言葉を無視して桐生は部屋を飛び出した
おそらくは格納庫に向かったのであろう
「俺は?どうすればいい?」
清次はクレアに問いかけた
「ハイ、これ着てガルバレンの所に行って」
クレアはそういって清次に紙袋を渡した
その中には昨日桐生が来ていたパイロットスーツと色違いのものが入っていた
「うっわ・・・・真っ黒」
そういえば桐生のスーツは真っ赤だった気もするな
清次はそんなことを考えながら格納庫に向かった
そして格納庫にたどりついた頃
艦内伝達が聞こえてきた
『NO-002 VAIN 出るぞ!!』
男のような桐生の声が響いたかと思うと
キイイイイィィィィィィィ ドンッ!!
耳障りな音の後、強烈な爆裂音
(DOLLが出るときはいつもこうなのか?鼓膜破れるぞ)
そうして清次は爆裂音に耐え、格納庫に入ろうとすると
〔パスワードを入力してください〕
と音声が流れてきた
勿論清次はパスワードなど聞いていない
「入れねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
清次は慌てふためいた
時は一刻を争うというのに、肝心の格納庫に入れない
(ヤベェ!!ヤバすぎる!!)
その直後ドアが内側から開かれた
「ありがとうございます」と清次はお礼を言おうとしたが
目線の先には誰もいなかった
「・・・・・・あれ?」
「コッチです」
清次は声が聞こえた方向、下に目を向けた
するとそこには作業着をきた子供が立っていた
「貴方がガルバレンのパイロットですね、話は聞いてます。速く来て下さい」
清次は作業着の少年に腕を引かれて進んだ
そして混乱しながら100mほど腕を引かれると
その先には漆黒のガルバレンが立っていた
「さぁ、行って下さい」
作業着の少年に後押しされ清次はガルバレンのコクピットに向かった
そして結局少年の名前も聞かぬままコクピットに入ってしまった
「まぁ、いっか」
清次はそう納得してレバーに引っ掛けてあったヘルメットを被った
すると
『清次君、聞こえる?』
クレアの声が耳元から聞こえてきた
そういえばこのヘルメットは通信機能内蔵と言っていた気もする
「何だよ」
『今から敵機の情報を教えるから、よく聞いて頑張ってね』
「作戦とか無ぇの?」
『敵機総数は20機、さすがに2機じゃきついからグレイヴに出てもらうわ』
クレアは清次の言葉を無視して敵機情報を伝えた
そして通信は途切れた
「おい・・・・・アバウト過ぎるよ」
それでも清次は無理矢理納得し、出発しようとした
しかしまたもや通信が始まった
『新しい装備を搭載して置いたので使ってください』
その声は作業着の少年のものだった
「武装?なになに?」
『ただのビームソードですよ、ガルバレンには核以外大した武装が無いので』
「えぇ、マジで?」
『マジです、では』
そしてまた通信が途切れた
清次は出発前から少し疲れてしまった
「No-001 GALVAREN 出る!!」
ヴァインの時と同じように耳障りな音と爆裂音が聞こえてきた
そしてガルバレンは空に飛び上がった
「桐生はどこだ?」
『こっちだよ!速くしろ!!』
突然桐生の声が聞こえてきた
その直後目の前に4機『嵐』側の期待が突撃してきた
「なっ!ちょっと待ってくれてもいいだろ!!」
清次は腰からビームソードを抜き放ち応戦した
しかし敵は4機
ビームサーベル2本で止められるのは2機
残り2機のタックルを食らってしまった
『何やってんだバカ!』
その声とともに真横からヴァインの腕が伸び
敵のタックル以上の衝撃を与え殴り飛ばした
『何やってんのよ!死んじゃうよ?』
クレアの声で清次は確信した
これは殺し合いだ
殺さなければ殺される
自分はそういう世界に来たのだ
清次はそう心の中で思った
「後悔しろよ、死んだって許さない」
そしてついさっきガルバレンにタックルしてきた2機を探し当て、急接近した
敵はビームソードを抜き放ち応戦した
しかしそのビームソードは抜き放ってから0,5秒で
腕ごと切断された
そして間を空けずに死角からの蹴り
完璧に体勢を崩された敵は地面に倒れこんだ
「やっと2機」
清次はそう言って敵のコクピットにビームソードを突き刺した
『初陣としては上々だな、俺よりは弱いけど』
「解った解った」
清次は桐生の嫌味をスルーし、戦闘を続けた
「数が多すぎるよ!!」
清次は大量の敵機を前に逃げていた
さすがに10機は無理だ
どうしようかと悩んでいると
『何してるんですか』
子供の声が聞こえると同時にビームが1発ガルバレンと敵機の間を通った
敵は慌てて急停止したが、先頭の1機は止まりきれずに命中した
「あ?」
清次が混乱していると
格納庫の方からなにかが飛んできた
それは八角形で8つ、鳥のようにすばやく
ガルバレンと敵機を取り囲んだ
そしてまた格納庫の方からビームが飛んできた
しかし今度は全く違う方向に行ってしまった
「何してんだよ」
清次は誰が撃ったかも解らないビームに愚痴った
すると周りを取り囲んでいた八角形の物体が動き出し、ビームの延長線上で停止した
そしてビームが八角形の物体に当たった瞬間
ビームが反射した
まるで鏡に当たる光のように
「はぁ!?」
清次はいよいよ混乱した
ビームは幾度も反射を繰り返し、敵を混乱させていく
そして16回目の反射を終えると遂に命中した
さらにビームが発射されてくる、今度は3発同時だ
それが何度も続けられ、1分後にガルバレン周辺の敵は全滅した
『ボーっとしないで下さい、桐生さんがやられてしまいますよ?』
その言葉で清次はやっと気付いた
「その声・・・・・あのガキか」