Vol 7 『嵐』
今回から作中に出てくるちょっとした物を
紹介していこうと思います
記念すべき第一回はこちら!
電化製品の「SAWAMATSU」
・その名の通り電化製品を取り扱っているお店
・創業8年
・店長の沢松さん(38歳男性)がお世辞に弱く
「今日も男前だねぇ!」等とお世辞を言うと
ほぼ100%の確立で半額になる
・なのになぜか赤字にならない
それでは本編をどうぞ
『嵐』
今から30分前
東京に無数の謎の破片が降り注いだ
その破片の色は
吸い込まれる様な黒
清次はガルバレンに搭載されている
武器の全てを使用した
その拳から
ビーム兵器
遂には核に至るまで
だが桐生はその全てに対処した
全ての武器を使い切った清次は接近戦で攻撃を始めた
しかし接近戦でヴァインに敵うはずもなく
ガルバレンの四肢は無惨なまでに引き千切られた
そして頭部をもがれた時点で
メインモニターの映像がシャットダウンされ
同時に清次の意識も途絶えた
本日2度目の医務室
清次は目を閉じた状態で目を覚ました
そして声は出さなかった
理由は知らない人が横にいたから
目を開けなくても気配でわかる
誰もいなければすぐにでもクレアか桐生を探すのだが
実は清次は
かなり人見知りをする人だった
だから知らない人と話すのが恥ずかしい
だから今起きるのを躊躇っている
だから早く出て行って欲しい
(薄目で見てみるか)
清次は少しだけ目を開けて
その人物がどんな人なのか確認してみた
胸が結構あるので女
ついでにかなりの美人
髪型はポニーテールっぽい物
髪先は棘のように尖っていた
上は黒のタンクトップ
下は白の半ズボン
『週刊プロレス殺法』と書かれている雑誌を読んでいた
清次が観察を続けていると
入り口のドアが開きクレアが入ってきた
「清次君起きた?ってアンタまたそんな格好して!少しは恥じらいを持ちなさい!!」
「黙れボケ!!誰がどんな格好してもいいだろ!!」
「あんたその格好でここ歩き回って皆鼻血出してたの知ってる!?」
今の一連の会話で清次に衝撃が走った
(この女・・・・・!!)
気付いた、気付いてしまった
この女はまさかまさかの
「桐生!!」
「「うわっ!!」」
清次は突然起き上がり大声を発したので
クレアと女性は飛び上がった
「おおおおいいおいおいいお」
あまりの驚きに呂律が上手く廻らない
「お前・・・・桐生?」
清次は恐る恐る女性に訊ねた
すると女性は少し驚いた顔で
「え?お前知らなかったの?」
「私ちゃんと言ったわよ、『彼女』って」
「そんなの聞いてるわけ無いだろ!」
3人の言葉が医務室で交錯する
そしてその結果導き出された結論
「桐生は女」
「クレアは事前に伝えていた」
しかし清次の心は驚きよりも悔しさの方が大きかった
自分は女に負けてしまった
しかも四肢を引き千切られて
ついでに頭をもがれて
大半のことをそつなくこなす清次にとっては
人生で感じたことの無い感情だった
「それにしてもアレはやり過ぎだわ・・・」
クレアは露骨に桐生を睨んだ
桐生は目を合わせないように雑誌で顔を隠した
「まぁ自己再生機能で直るから別にいいだろ・・・・・?」
「首までもがれたら時間がかかるでしょ!!」
クレアは恐ろしいまでの剣幕で怒鳴った
桐生は少したじろいだが怯まなかった
「奴らが来る前につれて帰ったんだからいいだろ!!」
「良くなーーーーい!!」
また『奴ら』と言う単語が聞こえてきた
清次が聞くのは初めてだが
この単語は清次の心に引っかかった
「奴らって何?」
清次の質問で互いの顔を抓っていたクレアと桐生は
ようやくケンカを止めた
「奴らと言うのは・・・」
「自らを『嵐』と名乗る武装テロ組織だ」
またもやクレアが言おうとした言葉を
桐生が言ってしまった
「何アンタ?嫌がらせ?新手の嫌がらせか?」
クレアは額に青筋を浮かべながら
桐生を睨みつけた
「るっせぇ!!」
桐生が「うるせぇ」を中途半端に縮めたため妙な単語になっている
しかし清次に『嵐』以降の言葉は届いていなかった
(俺は・・・やることやって帰りたいのに)
清次は心の中でそっと泣いた
クレアはマジで『彼女』って言ってます
暇な人は読み返してみて下さい