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Vol 16 抹殺処分



「おおおおおおおおおおっ!!!」

炎璽はトリガーを引く

眼前の敵を倒すために

しかし敵も当たるつもりは毛頭ない

ヒラリヒラリとかわされる

「待てっ!!!」

桐生が2人を静止させる

「何か妙だ・・・・・誘われてる気がする」

桐生は敵機の異変を感じ取っていた

明らかに速度が落ちている

反撃してくる様子も無い

「だからどうしろってんだよ!!このまま逃がせってか!?」

『追いましょう』

クレアが言い放つ

『例え罠だとしても行かなきゃ始まらないわ』

司令官の言うこととしてはいささか不安だが正論だった

ここでこのまま逃がすわけには行かない

「解った、行こう!」

4人は引き続き敵機を追う

辺りはすでに夕焼け、眼下に広がる海は真っ赤になっていた

(どこまで行くんだ・・・・・・!!)

そして2機は上空に急上昇する

「上!?」

清次が上を見上げると、巨大な岩が浮いていた

「でっか・・・・・・」

清次が見上げていると岩の一角が光った

同時にそこからビームが放たれる

「ぅわっ!!」

それを発端に巨岩の底面から

嫌がらせの様にビームが降ってくる

『清次!コレ全部かわして中に突入だ、行け!!』

桐生のやっつけな声が聞こえてくる

「マジか!!」

清次は一瞬ためらったが行かないわけにはいかない

しかし清次はビームの雨を潜り抜けて上に上がっていく

この程度の攻撃、ガルバレン・ヴィオフィーナにとっては攻撃の内に入らないのだ



『ヴィオフィーナ』

それは救済を意味する言葉

それは破壊を意味する言葉

それは羽を持つ天使

それは羽を持つ悪魔

それは人知を超えた力

それは人知に超えられる力

それは世界を救う力

それは世界を壊す力


それは他者を認めない絶対の君臨



「ここだっ!!」

清次はアクセルを踏み込む

そして減速なしのトップスピードで岩石の一部に突っ込む

すると岩肌の一部が剥がれ落ち、鉄の通路が露になった

『清次君、貴方が先頭、次に桐生、炎璽の順で突入して』

クレアからの指示が届く

「了解」

指定された順で通路を進んでいく

そして分かれ道、3方向に枝分かれしている

「どうする?分かれるか?」

『ここで戦力を分断するのは危険よ』

クレアがそう言った瞬間


ガアアアアアアアアアアアア   ッシャン


3機の間にシャッターが降りた

「なっ・・・・・オイ!」

清次はビームサーベルを構えてシャッターを斬ろうとする

しかしそれを炎璽が止める

「待って!このシャッター・・・・・・濡れてる」

炎璽に言われ、よく見ると確かにシャッターは濡れていた

『引火性かもな、触らないほうが良い』

『このまま進みましょう、気をつけて』


「「「了解」」」


そうして清次はガルバレンの推力を最大にして進んでいく

どこまで進んでも風景が変わらない

「いったいいつまで・・・・・」

清次が愚痴ると通信が入ってきた

「桐生から・・・・?」

通信回線を開く


『清次!!進むな!・・・・クッソ・・・・・・どけよ・・・・・ザザッ』


訳のわからない通信

ただ進むな、と

しかし桐生に何かあったのは確かだ

「一体何が・・・・」

続けざまに炎璽から通信が入る


『は・・速い!!・・・・行っちゃダメだ!!・・・・先には・・・・・ザーー』


清次はなんとも言えない恐怖に襲われた

強化ユニットを装備したDOLLがたった数分で・・・・・

しかしここで立ち止まるわけにも行かない

「行くしか・・・・・・・ないのか」

清次は何度か通信を試みつつ前に進んでいく

その通信は全て繋がらなかったが


進むこと数分、ガルバレンは大広間に出た

中央には怪しい光を放つ機械の柱

そしてその左右にはパライドとは違う量産型らしきDOLLに捕縛されている

ヴァインとグレイヴの姿があった

「桐生!炎璽!クレア!」

清次は機体を前に傾ける

しかしそれを見た量産型らしきDOLLはビームサーベルを抜き

ヴァインとグレイヴに向けた

「なっ・・・・・・この野郎・・・・!!」

清次は動けなくなった

どうすれば良いか

どうすれば3人を助けられるか

(どうすれば・・・・・・!!)

清次が必死に考えていると通信が入ってきた

味方からの通信回線だ

「今更・・・・・だれが・・・・・?」

清次は通信回線を開いた


『やぁ、君が清次君かね。元気そうで何よりだ』


通信をしてきたのは顔も見たことがない中年の男性

「あんた誰だ、後にしてくれ」

『今でなければ意味がない話しだよ、聞きたまえ』

男は少し偉そうな態度だった

しかし全く面識のないこの男、何故自分に通信をしてきたのか

『私は日本の現総理だ、名を比嘉ひがと言う。以後宜しく』

「はぁ?」

なんとこの男は自らを総理大臣だといっているらしい

冗談はよそで言ってくれと清次は言いたかったがそんなことを言うのもわずらわしかった

『まぁ君に会うのはコレで最後になるわけだが・・・・・・』

清次は比嘉が何を言っているのか解らなかった

何故コレが最後になるのだろうか


そして次の瞬間、比嘉は恐るべき言葉を口にする




『残念ながら現時点を持って国家防衛機関[HEAVEN]を抹殺処分とする!』



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