18日目<???その12>
ジョニーたちの乗ったモトクロスはまっすぐ超大型ゾンビに向けて走り出した。
数テンポ遅れる形で1台の車が。それを慌てて追うような形でもう1台の車が急発進する。
ちらりと後ろをふりむきながら、車の武装を確認するジョニー。
リッグ達が持っていた2台の車。1台はリッグ達が乗っていた灰色のミニワゴン、そして黒の4WDだった。
ミニワゴンは6人乗りで、4WDは4人乗り。座席にはみっちり詰まって見えるので総勢10名ほどであろうか。
ミニワゴンはほぼ未武装だが、4WDはガチガチに周りを釘付きの板やら、刃物を剣山のようにむき出しにしていた。
おそらくは単純に馬力の問題…ミニワゴンには6人も人が乗りかつ馬力も4WDより遥かに貧弱だ。
なので武装して速度を落とすより、軽くして速度を維持する事を選択した結果だろう。
その考えを肯定するように、先に走っていたミニワゴンを4WDが後ろから追い抜いていく。
そうして、4WDが先を先導するかのように前にピッタリ付く形になった。
おそらくリッグたちはこちらに乗っているのだろう。
目線を向けるとドライバーをしているリッグと、助手席にデリルと呼ばれていた弓使いの姿が見える。
相手がこちらを視認しているのを確認するとジョニーは、息を吹き込み笛を鳴らしてみせた。
ピィィィィィィ…ィィィ…
正直音としては情けないぐらいか細い音だが、超大型ゾンビに食いついていたネズミの群れが若干ざわめくのが遠目からでも見て取れた。
そしてミニワゴンの斜め後方数メートル…そこから黒い絨毯のような影がまるでディ●ニー映画の魔法の絨毯のように地面からこちらめがけて這ってくる。
「ひぃぃっ!」
ミニワゴンを運転してたであろう村人の短い悲鳴が聞こえる。黒い絨毯…つまりは他に潜んでいたネズミたちはミニワゴンの下をくぐり抜け
まっすぐジョニーたちに向けて向かってきた!
「やはり思った通りだったな、他にも潜んでやがった」
「言ってる場合かよ!逃げるぞ!」
ご機嫌に聞こえるジョニーの声にチェックも叫ぶ。
叫びながらモトクロスは超大型ゾンビの横。先程の黒いネズミの集団には逆の方向に向けて速度を上げる。
車は4WDが先導し、超大型ゾンビの逆サイドにミニワゴンと一緒に走り抜けていく。
それを確認して、ジョニーは笛をもう一息吹き込んだ。
「………………っ!」
超大型ゾンビに食いついていた残りのネズミたちも有効射程に入ったのか、ゾンビに食いつくのをやめてジョニーたちに向けて反転。追ってくる。
速度を上げるモトクロスと変わらぬ速度で追ってくるネズミの大群は地面を覆い尽くさんばかりとなった。
「おい!…おい!!!本当にこの後もどうするか考えてるんだよな!?」
チェックの悲鳴にも似た怒号が聞こえるが、ネズミの大群と超大型ゾンビの足音の方がより大きいせいか途切れ途切れに聞こえる。
「当然さ!まあ上手くいくかはやってみてからだけどな!」
「おおおい!?今なんて言った?!」
お互い声が満足に聞こえない中、モトクロスは村のある森を走り抜けた・・・
その先にある、ある場所を目指して。




