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18日目<???その6>

ぴりついた空気感がリッグたちとジョニーたち双方に張り詰める。

笛がネズミを呼び寄せる事を知っているジョニーたちは当然として

ジョニーの手元が見えていないリッグたちの方にもありありと警戒している気配が伝わってくる。


「………はったりはよして、息子を放せ」

事態に理解が追い付いていないであろうリッグも言葉を絞り出す。

言葉通りはったりでも、本当でも今現在場の主導権を握っているのはリッグたちだ。


いかにリッグたちの息子を人質に取っているように見せても、姿を見せた瞬間

リッグの拳銃とボーガンの矢にそれこそジョニーたちの方が「ハリネズミ」にされる方だ。

本来は交渉の余地はない。


リッグの息子も声こそ上げないが、ジョニーの手元に目線が釘付けになっている。

彼からすれば笛の危険性を知らせるのに笛を吹かれるのであれば本末転倒なのだろう。

もし、ジョニーが吹くようであれば彼もジョニーたちの敵に回りかねない。


しかし、今現状笛を吹く以外で現状を打破する方法を思いつけねえんだよなあ…


内心冷や汗をかきながらジョニーも行動できずにいた。


実際笛が原因だというリッグの息子のいう事を信じるのであれば…

今ここで笛を吹いてやれば、まさにその証明になる。…のだが

1つ問題がある。


ジョニーたちに聞こえないこの笛の音はリッグたちにも聞こえないのだ。

吹く真似では当然だめ、仮に本当に吹いたとしてもネズミが現れるまでこの膠着状態は

解かれることはない。


下手をすれば全員逃げ遅れて、仲良くネズミの餌という最悪の状況にならざる得ない。


だがしかし、ネズミが到着するまでの混乱に乗じる以外に現状をなんとかできそうもない。

そう考えているうちにチェックが行動を起こしてみせた。


ボウっ


という音と共にチェックの片手から小さな炎が現れる。

牢屋を脱出するとき、笛と一緒に出てきたマッチをいつのまにか確保していたらしい。


「…この炎が合図だ。あいつらは光に引き寄せられる」

「…はったりはよせ…」


チェックの文字通りはったりに先ほどと同じ言葉を返すリッグ。


「この村では火を使う際も厳重に管理している…明かりは目印にもなるからな

 外に光が漏れるような場所で使わないようにしている。

 それなのにこの村は何度もネズミの被害にあってる。理屈に合わない」

リッグはだいぶ理屈派のようだ。本当はしゃべらなくてもいいはずの村の管理に関して

しゃべりこちらの理屈を否定しようとしている。


「ごもっともだが、村の誰もかれもがその言うとおりにしていると断言できるのかな?」

「…………」


苦虫をかみつぶしたような顔でこちらを睨んでくるリッグに、管理体制の疑問点をついてくるチェック。

ここで「当然問題ない」と言えないあたり生真面目というかなんというか。


そんな対応をしているうちに、2階から無言で飛んできたボウガンの矢がチェックの明かりと叩き落す。


「………っ!!」


幸い刺さりはしなかったものの、矢はチェックの上でかすめ痛みでついリッグの息子を軽く腕で絞めてしまった。


「デリル!余計なことはしないでくれ!」

リッグの神経質な声が響くが2階からは無言のままだった。


膠着状態変わらず…と言ったところか。チェックも現状を打破しようと頑張ってくれたが

あいにく分が悪すぎた。せめて相手が気づく前になにか準備できれば…


そうジョニーが考えていた瞬間。


ピィィィィィィィィィィッ!!


笛の音が鳴り響く。

はじけるようにジョニーの手元を見るリッグの子供。

だがジョニーは笛を吹いていない。というか今の笛の音はチェックやリッグにも聞こえていた。


「ゾンビが出たぞぉぉぉぉぉ!」


村のはずれの監視台だ。

笛はゾンビが出たことを知らせる警戒音だった。

だがその瞬間、リッグ・チェック・リッグの子供は体をこわばらせる。


危険が二重にやってくる、とね。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ボーガンでまさかと思いましたが、あの人気キャラの登場に笑っちゃいました。まだ、姿を現してはいませんが、彼も異世界に来た人間なのか、それとも異世界の人間なのか。 [一言] まさかジョニーたち…
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