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8日目<未明その3>

ジョニー、ブルーズ、チャッキー、エフィーとまあずいぶん国際色豊かなメンツになってしまったが

こうして人が増えた事自体は実にありがたい。

あとはいかにもごてごてなSF銃でもあればゴーストバスターズが編成できていたところだ。


さて話を原状に戻そう。

ゴーストではなくゾンビへの対応策についてだ。

ゾンビの対応策なんてのはつまるところ単純なものなのだが大きく三つある。


・一人にならない。

・必ず複数人で対応するが基本はゾンビ相手には戦わない。

・距離をとって逃げ場を確保しておく。


なんて誰でも思いつくレベルのことをいかに徹底できるか。


え?そんなの簡単だって?


人が増えれば増えるほど人の統制は緩まっていく。


たいがいは「こんな危険なところにいられるか!俺は一人で生き残るぞ!」とか言い出した奴が

勝手に外への扉を開けた挙句、さんざん事態をかき回してからゾンビに食い殺されるものだ。

飲み会の幹事でもやってみればよくわかる。

気づいたら人が減っているのと似たようなものだと思ってくれればいい。


その点においても全員ポリスというのは実に信頼性が高い。

まあエフィーとかいう黒人は怪しいが…暗闇で会った時も瞬時に銃を構えたが

発砲までは押し留まっていた。

相棒のチャッキーにしても瞬時にブルーズとエフィーの間に滑り込んで制止を促した。

二人とも並の反射神経ではない。


実際ゾンビ映画によく出てくる警察は基本的にまとめ役で実に心強くあるものだ。

たまにサイコな同僚が出てくるがそれは除外する。


今も暗がりを率先して歩くチャッキーをカバーする形でブルーズがわきを固め

一般人のジョニーを守る形で後ろを常にエフィーが警戒する。

理想的な索敵陣形をなんの打ち合わせもせずとっていた。

エフィーの「一般人に最後尾なんて押し付けられるかってーの」というセリフに

ある意味、ジョニーは拍子抜けしてしまったぐらいだ。


「近いな…」

ブルーズのぽつりとしたつぶやきに一同に緊張が走る。

ジョニーが持った松明の灯りではまだ奥は見えない。

だがまるで見えているかのように銃を構えている。

1呼吸置いた後、うっすら動く影が見えた瞬間、ブルーズの銃が火を噴いた。

2発の銃弾が撃ち込まれた後、同じく2体のゾンビが自身の足元に倒れこんだ。


「さっすが、ロスで1,2を争う腕前だけあるねぇ」

と口笛を吹くエフィーと対照的にブルーズはその視線を前から外さない。

ちなみにと前置きしたうえでチャッキーは同じく前から目を離さずにジョニーに声をかけてきた。


「ゾンビは振動に反応する…と言っていたがそれは当然今の銃声や喋り声とかでも反応するんダヨネ?」

「ああ、やつらはどんな些細な振動でも見逃さない。今の銃声を聞きつけたゾンビはこっちに集まってくるだろう。

だがまあ後ろのやつらの事なら少し保険をかけておいたがな」

そういってジョニーは組木細工のような小さい玉。

正確には小さな木製の鈴を取り出して見せた。


これがジョニーが森でこっそり用意していた準備のひとつである。

木の板を5枚くり抜いて重ね合わせ玉のような空洞のできる木の箱を作る。

あとは中にドングリか何か固い木の実を仕込めば鈴の完成だ。


「これを何個か縄に括り付けておいた。金属製の鈴に比べればささやかな音だが、ゾンビが縄に引っかかれば鈴が鳴って

ゾンビが近づいてきてることを教えてくれる」

「その鈴の音にもゾンビはハンノウするって訳だ」

「そういうことだな」

縄で侵入を防ぎ、鈴で注意を引き付ける。二重の足止め策というわけだ。


「ちなみに罠みたいなのはないのカイ?」

「ゾンビに痛覚があればジャパニーズまきびしでも撒いてやるんだがな。あいにく奴らには効果がない」

なるほどなとうなずく様が後ろからでも見て取れた。

このチャッキーとかいう刑事はずいぶん勤勉な性格だったんだろう。

好奇心旺盛ともいえる。

他の二人に比べると親しみやすそうだなともジョニーは思っていた。


そうこうしながら一同はじっくりしっかり前に進む…のだが、やはり暗闇の洞窟の中。

しかも間断的に襲ってくるゾンビのおかげで遅々として前に進んでいる気がしない。

「クソッこんなに時間がかかるたぁなぁ…後ろが気になって仕方ねえぜ」

ブルーズもついにはそんな事をぼやき始める。

いつ追いつかれるか分からない恐怖との戦いに無意識に神経をすり減らしているのだ。


ジョニーにしてもゾンビ映画でむしろそのスリルを楽しんでいた側だが、実際に相対するとやはり緊張感はけた違いだ。

そういったものに慣れていないであろう他の3人ではなおさらだろう。


「!!…おい、アソコのあれ見えるか?うっすらと…」


とチャッキーが声を上げたその先には暗闇であるはずの洞窟の中に一筋の光が見えた。


ジョニーが下りてきたであろう隙間から光が漏れ出してうっすら照らしていたのだ。

その足元にはくっきりとジョニーのつけた×マークが見て取れた。


「やったぜ!あとは登るだけだぁな!ひゃっほー!」

と無邪気に喜ぶエフィーに、ブルーズは腕で制止する。


「残念ながら先に目の前のお客さんをなんとかしなきゃぁならんようだぜぇ」

光に照らされていた先からうっすらとまたゾンビが顔を出していた。

数は見えるだけで6体はいるだろうか。


同じタイミングで。


チリンッ


そんな微かな音をジョニーは聞こえた。気がした。

だが微かだったその音は数を増し引きずられているのだろうか激しく音を増していく。

「おいおいおい…またこんなタイミングかよ」


出口は見つけた。まだ4人とも登れていない状態で前後にゾンビ。

よくよくあるピンチってやつだ。


「まあそれでもやるしかねえがよ」

音に気付いてわめくエフィーを横目に他3人は臨戦態勢を整えた。


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