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8日目<未明>

「こ…の野郎いきなり殴りかかってきやがった…」

「うぇっへっへっへ…まあぁ悪く思わねえでくれよ、暗がりで急に上から降ってきたあんたも悪いんだぜぇ」

そういって悪びれもせずブルーズはその汚いが何故か憎めない顔の歯をむき出しにしながらニッコリと笑って見せた。

まあ、確かに…真っ暗なトンネルのような空間のため地面との距離が掴みずらかったのもあるが

ブルーズの目の前に急に飛び降りるような形でジョニーは落ちてきてしまったのだ。

急に銃をぶっ放されなかっただけでもラッキーだったのかもしれない。


「あんたぁ…1人か?」

「?…ああ、1人だがどうした?」

「いやぁな、さっきあんたの声みてえなのが聞こえた時に2人が口論してるような声が聞こえた気がしたもんでよぉ…どうやら疲れで耳も遠くなっちまったらしい」

ジョニーの方には聞こえなかったが、そこら中に亀裂の入った岩肌からブルーズにだけ聞こえるぐらいの声量で人の声が聞こえたという。

そんな都合よく、人がいるものか?ともジョニーは思ったが自分自身がその都合よくいた1人なのでその台詞は飲み込んだ。


「なんにしろ1人で心細かったんだ、助かるぜぇ…俺はブルーズだブルーズ・マクラーレン

ロスで警部をやってる。今は…休暇中だ」

「そいつはご丁寧にどうも…こっちはジョニー・レディオン。ただの木こりだ…ゾンビ専門のな」

一瞬目を丸くしたブルーズだがすぐあの汚い笑顔で笑いながら2人は力強く握手する。

「そいつは頼もしいぜぇ…こちとらマフィアやチンピラ、たまに上司ぐらいならいくらでも相手にしてきたが

ゾンビは専門外でね…分からねえことだらけで参ってたところさ助かるぜぇ…」

「さっそくで悪いんだがブルーズ…あんまりこんな暗くて狭い場所でのんびりはしたくないんだが…

あんたどっからここまで来た?」

「俺は向こうから…もう2,3時間は直進して歩いてきたぜ」

そういってブルーズは自分の背中の向こうにある道を親指で指さした。

「最初はゾンビから逃げてる間に地下駐車場にでも迷い込んじまったのかと思ったんだがな…足元を見てみな」

そういって顎でクイっと示した地面…その床はデコボコとした岩肌…ではなく

割と整理された石畳のような道だった。

「明らかに人の手が入ってる作りだが、まるでギリシャの神殿みてえな石畳だ。あいにくロスの駐車場は

こんなに手は込んでねえ」

「それは言えてる」

ジョニーも同意する。


つまりはブルーズとジョニーが今いる洞窟…それはまるで異世界でいうところの遺跡のような場所だった。

岩壁にうずもれて忘れ去られた古代のお城…そんな場所なのだろう。


「あんたなら詳しいんだろ?ずいぶん物知り顔してるぜ?」

一気にスっと目が座り、歴戦の警部の顔になる。

どうやらずいぶんと優秀な警官らしい。思わずジョニーは生唾を飲み込んだ。

「ああ…まあ俺の知ってる範囲の話でよけりゃあな。………ってちょっと待て。あんたなんて言った?」

「あぁ?ギリシャ神殿みてえな…」

「違う!そうじゃなくて…ゾンビから逃げてたっていったか?」

そう。そのジョニーの予感に呼応するように。

ブルーズがやってきたという暗がりから吠えるような乾いた雄たけびが聞こえてくる。


「まじかよっあいつらもここまで追ってきやがったってのかぁ?!」

ブルーズはなんとも情けない先ほどとは打って変わったかのような情けない声を上げつつも

ちゃっかり手は懐の銃を取り出していた。

「やめとけ!ゾンビ相手に拳銃じゃ弾が持たねえ…ってあああっ!俺の荷物もまだ上じゃねえか!」


そうなのだ。

ブルーズに会う為、無理やり崖肌の隙間を降りてきたジョニーはせっかく森で準備してきた荷物を

まるまま道半ばに置いてきてしまっていた。


「どっどっどどうするんだぁ?!」

ブルーズはうろたえながら、ジョニーに問いかける。

「そりゃもちろん…」

ゾンビの顔が暗がりでも見えだしたその瞬間。


「逃げるんだよぉ~~~~~~っっっっっっ!」

ゾンビたちが出てきた道の反対側に向けてダッシュした。

ブルーズもうひぃいいっなんて声を上げながらその後を追う。


こんな情けない開幕ではあるがジョニーのゾンビ逆襲撃の第2幕が始まったってわけだった。



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