2話~宣戦布告
一人の警官が何者かに刺殺された死体を見た神城は、抵抗した様子が
無かった事に疑問を感じつつも、少しは心通じ合う事が出来たのかと思うのだった。
しかしその反面、拳で争う時代ながらも、比較的安全な町でこの様な事件が
起きてしまった事に、危機感を否定出来ずにはいた。
そして神城が道場で護身術を教えていると、殺された警官の部下が、
ある書状を持ってくる。
その書状には、「あの経験が流した血は、始まりの報せだ。あれ以上の血を
流したくないのなら、町を明け渡すべく」と書き記されていた。
神城は警官の部下に、この差出人はわかっているのですか?と問う。
すると部下は、おそらくあのならず者でしょう!でもご安心ください!
貴方の力を借りるまでもなく、警察の力で制圧して見せます!と言う。
神城はその言葉を聞くと、何やら焦った様子で、挑発に乗っては行けません!
まだ制圧するには早すぎます!と言う。
すると部下は、我々警察は、悪と戦うのが使命です。もうとっくに
警察隊は出発しました。と言う。
神城はその言葉を聞いた途端、ならず者のアジトを聞くと、走っていくのだった。
神城は鋭い洞察力で、証拠が不十分なまま、警察がならず者たちを
制圧しようとすることを逆手に取り、町を侵略する口実を作ろうとしているのではないかと感じていた。
神城は風の如く、走り抜けていくが、警察隊はその先へと進んでいるのか、
全く警察隊が見つかる事は無かった。
一方の美織は、神城が急いだ様子でならず者のアジトへ向かった事を知ると、
神城の部屋の押入れから、飴玉の缶詰を取り出し、急いで神城のあとを
追う様にならず者のアジトへと向かうのだった。
一方ならず者アジトでは、ならず者のリーダーの男が部下たちに、
おそらく警察隊がそろそろ到着する。だが、迎え撃つのではなく、
全て耐えるんだと命令する。
その言葉を聞いた部下の一人が、どういう事ですか?黙って
やられろって事ですか?!んなの納得できねぇ!と感情的に言い返す。
するとリーダーの男は、俺は拳を振るい頂点を決めようとするこの時代で、
力だけではなく、知力も使い、この国の頂点に立つつもりだ。
そしてこの地を我々の革命の場として選んだのは、嵐が常に起きている地で、
嵐を起こしても、それは風になるだけだ・・・と語り始める。
さっきは反発していた、部下も、何かわかんねぇけど、兄貴にそういう考えがあるなら
俺は従います!お前らもわかったな?!と声を高くして発する。
一方の神城は、警察隊を探して急いで走っていたが、
中々見つからずにいた。
神城は警察隊よりも先へアジトへ向かう事を決め、アジトに向かって
走っていくのだった・・・
神城のあとを追っていった美織だったが、途中で疲れてしまい休んでいる所を
チンピラらに絡まれ、ピンチに陥るのだった・・・
美織はどかないなら、力づくで行くよ!と脅しかけるが、
それをバカにされてしまい、余計にピンチに陥るのだった。
遂には手を出してくるチンピラたちだったが、神城の稽古の光景を思い出し、
神城の護身術を軽く真似て、その場の危機を乗り越え、
走って逃げていくのだった・・・
一方の警察隊は、ならず者のアジトにたどり着き、ならず者の集団に対して
観念しろと告げるのだった・・・
するとならず者のリーダーは、我々は警察のご厄介になる様な事は
致しておりません。と言う。
すると警察隊の隊長が、ふざけるな。クズ共が!今すぐここでぶっ潰してやる!
やれ!と言って、ならず者のたちに一斉に攻撃を仕掛けようとするが、
そこに神城が屋根の上を越し、飛び降りてくるのだった・・・
隊長は、貴様は何だ?と言うと、神城は即座にこの攻撃は無謀なだけです。
すぐにやめましょう。と言う。
すると隊長は、ふざけるな!邪魔するなら貴様も消すぞ!と言う。
神城は次の瞬間、隊長の腕を掴み、軽くひねるのだった・・・
そして一言、今はこうするしかないんです・・・と言う。
するとその隊長は、構わん!こいつをぶち殺せ!と命令する。
その一声と同時に警察隊は一斉に神城へと攻撃を仕掛けるのだった・・・
神城は、警察隊の攻撃を軽々と交わしながら、足をかけて転ばせる程度の
抵抗しかしなかった。
その様子を見たならず者のリーダーは神城に対して驚きを隠せない顔をしていた。
部下の一人は、面白いな!兄貴!俺も混ざりたいぜ!と言う。
流石に軽い抵抗だけでは、手に負えないと思った神城は攻撃をかわしつつ、
拳を顔の前で寸止めにしたり、相手の攻撃をかわし、その攻撃を別の
敵へ直撃させる事で、場をしのいでいた。
ならず者の部下の一人が、もう我慢できねぇ!俺も混ざるぜ!と言うと、
リーダーが、無言でその腕を掴み、首を振るのだった・・・
神城は少なくとも30人以上はいる相手に苦戦しつつも、半分くらいは
軽い抵抗だけで、倒すのだった・・・
しかし神城の圧倒的な強さを前に、警察の隊長は拳銃を取り出し、
こいつは極悪人だ!本気で殺して構わん!と言って、銃を撃ち始めるのだった。
神城は物陰の後ろに隠れ、銃弾をかわし、警官が近づいて来ると、
神速で、警官の腕を殴り、拳銃を遠くへ飛ばし、物陰から
姿を現し、猛スピードで逃げ回るのだった・・・
神城はこのままでは、いずれ大騒ぎになってしまうと感じ、
全面的に警察隊らと闘い始めるが、銃弾に当たらないために、
物陰に隠れるため攻撃という攻撃が出来ずに苦戦していた。
すると神城は、神拳流の必殺技のひとつである、技を使う。
この技は、銃弾や刀の攻撃をかわし、肘打ちと足掛けや頭突きを主体とし、
威力は低いものの、複数人を一度で倒すのには優れている技である。
しかしこの技を使うのには相当なスピード力が必要であり、
全力を出していない神城では、この技を使うのは危険であった。
するとそこに、急いで訪れた美織がやってきて、一言も話していないのに、
状況をよんだのか、神城に飴玉をひとつ投げる。
この投げた美織が投げた飴こそ、普段は圧倒的な力を持ちながらも封印しているせいで、いざという時全力を出すのが困難になっている格闘家が舐める事によって、
その飴に含まれている、刺激や作用により、
半ば強引にある程度の力を引き出すものである。
神城は即座にその飴を舐めると、必殺技を放ち、銃弾を、ひとつ、ふたつ、と
かわしながら、次々と敵を撃退していくのだった・・・
そして警察隊の隊長は全てを倒した神城に驚き、拳銃を向ける。
すると神城は今まで殴る事はしなかったのに、その隊長を殴り飛ばす。
即座に持っていた拳銃は遠くへ投げ飛ばすのだった。
神城の圧倒的な強さに驚いた、ならず者のリーダーは、
見事な腕だ。俺は如月一派の盟主の如月仁だ。
どうだ、その腕があれば俺たちと組めば、本気でこの国の頂点に立てるかも知れないぞ?と言う。
すると神城は、正直に答えてください。警察官を殺したのは貴方たちの仕業ですか?と問う。
如月はその問いに対して、俺たちも警察も似たようなものだ。
それは今のお前が、身を持って感じたはずだ。と言う。
神城はその言葉に対して、どんな理由があっても、町に攻め込むつもりなら
僕は、今ここで貴方を倒す。と言う。
如月はその言葉を聞くと、いきなり回し蹴りをして、神城が倒れそうになると、
背中を押さえ込み、腹に一撃くらわせるのだった・・・
そして如月は、お前が感じている程、人間は出来ていない。
油断しすぎだ・・・と言う。
その強い攻撃力を前に、倒れた神城は、如月の足を掴むが、
如月は手を振りほどき、立てなくても無理はない。
そういう部分を敢えて、狙って攻撃したのだからな・・・と言って去っていく。
すると美織は如月に、ちょっと待ちなさいよ!と言う。
如月は気絶した神城を見た後、美織に、
一週間後。俺たちは計画を実行に移す。それまでは何もするつもりはない。と言って去っていくのだった・・・
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