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暴力帝国  作者: 北永直次郎
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1話~優しい拳

幕末の動乱の世が終わり誰もが平和な時代が訪れると思ったが、

刀を捨てるしかなかった男たちは闘志を捨てきれずに、己の拳で闘う事を選択した。

動乱の世は終わったものの、拳で闘う時代が訪れてしまい、

己こそが最強と強く信じ、己の拳で国の頂点に立つために、男たちは戦い

続けるのだった・・・


そんな世に生きる一人の男、「神城拳」は幕末の世に、最強の暗殺拳と恐れれた

神拳流の使い手で、最強の暗殺者と恐れられた神城龍拳の息子であり、

幼い頃から父親に神拳流を叩き込まれ、尚且つ父親の血筋を受け継いでいるために、圧倒的な力を誇っているが、ある考えから、男たちが拳で闘う時代ながらも、

決して戦地では拳を振るわずに、小さな道場で護身術を教えるだけだった。


そして神城が道場で護身術を教えていると、幼馴染の白鳥美織が稽古中に

やって来るのだった。

神城は美織に、どうしたの美織ちゃん?今稽古中だけど・・・と言う。


美織はその言葉を聞くと、何やら急いだ様子で、稽古が終わったらウチの

旅館に来て、少し大切な話があるのと言い放ち、その場を去っていく。

美織の実家は東京でも有名な旅館であり、神城はその一室を自らの

定宿としているのだった・・・


そして神城は稽古が終わると、美織に案内され、旅館の一室に入る。

するとそこには複数人の警官や、町の住民らがいるのだった。

神城が室内に入ると、一人の警官が、突然、あなたが神城拳さんですか

お会い出来て光栄ですと言う。


神城はその挨拶をされると、自分はそんなに大きな人間ではありませんの

丁寧な挨拶は必要ないですと返す。

すると美織は、こちらの警察の方々があなたに頼みたい事があるらしいのと言う。


神城はその言葉を聞いた途端、警察のお力になれる事は自分にはないと思います

と返すのだった・・・

すると先程の警官は、単刀直入に言います。あなたのその腕を見込んで

頼みがあります。幕末の時代戦地となった隣町を拠点として活躍している

ならず者の集団を退治してほしいと言う。


神城は、その言葉を聞くと即座に、お断りしますと言う。

美織は、何でよ?と神城に言う。

警官は神城が断ると、いずれはこの町にも攻め込んでくるはずです。

そうなる前には退治しなければなりません・・・と言う。

神城はその言葉に対して、憶測で手を出したとして、争いの火種を

作るのは嫌ですと返す。


警官は頑なに断る神城に、もちろん報酬はお支払いします。それに貴方の手で

ならず者を撃退したとなると、あなたの教えている、護身術は世間で

認められることになりますよ・・・と言う。


神城はその言葉を聞いても、僕は護身術を広めるつもりもありませんし、

自分から手を出す様な真似はしないと決めています。

申し訳ありませんが、お断りします・・・と言って、席を立つのだった・・・


すると警官は、何かあってからでは遅いのです・・・と言う。

神城は、咄嗟に、それを解決するのが警察の仕事じゃないんですか?と言って去っていく。


そして神城は、自らが耕している畑へ向かい、農作業を始めるのだった。

するとそこに自らを追ってきた美織がやってきて、

何で断ったのよ?!別に悪い事をする訳じゃないし!ってか逆にいい事だし!と言う。


神城はその言葉を聞くと、何故かにこやかな表情になり、

美織ちゃんは僕なんかよりよっぽど強いね!と言う。

すると美織は、ちょっとどういう意味よ!ってか質問に答えなさいよ!と言う。


神城は美織に畑で採れた野菜を渡し、今日の夜はこの野菜を使った料理が

食べたいなぁ・・・と言う。

美織は、え?あ、わかったけど!話は終わってないよ!と言う。


そしてその日の夜、神城は自らが採った野菜の料理を楽しんでいた。

美織は神城の食べている表情を見て、何か嬉しそうにしていた。

美織は心の中で、神城が本当は闘いたくないという事を何となく察するのだった。


神城は次の日も稽古に励んでいたのだった・・・

するとそこに、ならず者たちがやってきて、扉を蹴り飛ばすのだった・・・

神城はそんなならず者に、貴方たち、何の用ですか?今は稽古中です。と言う。


その言葉を聞いたならず者の一人は、仲間に、おいこいつが本当にあの

暗殺拳術の神拳流の使い手か?と問う。

すると仲間の一人は、こんなもやしみたいで貧弱そうな奴がかぁ・・・と言う。

ならず者を善人ではないと感づいた一人の少年が、ならず者に

悪い奴は許さない!と言って、殴りかかるが、ならず者はその少年に容赦なく

殴り飛ばすのだった。


すると神城は、貴方たち自分のしている事がわかりますか?と一度は小さく言う。

ならず者は、すまねぇ鬱陶しいガキは苦手なもんでな!と笑い飛ばす。

神城はその言葉を聞くと、近くに置いてあった大きな石を上から殴るのだった・・・


すると岩は真っ二つになるのだった。

その様子を見て驚くならず者だったが、喜びを感じたのも事実で、

神城に、面白いじゃねぇか!ぶっ殺してやるよ!と言って、殴りかかる・・・


しかし神城は、その拳を受け止めて、思いっきり握るのだった。

すると男の右手は、動かなくなり、男は左手で右手を抑えるのだった。

その男の仲間が拳銃を取り出して、道場で発砲し始めると、

子供たちは泣き出すのだった・・・


その様子を昨日の警官が外から見ているのだった・・・

神城は発砲した男に対して、銃を今すぐ捨ててください・・・と言う。

男はその言葉を聞くと、知るか!そんな事!と言って、神城に向かって

発砲するが、神城は銃の弾をかわすのだった。


神城のかわした弾は、後ろの壁に当たるのだった。

神城は男の行動を見て、猛スピードで、男のもとへと向かっていき、

男の拳を殴ると思いきや、男の持っている拳銃を殴って、粉砕するのだった・・・


男はふざけんじゃねぇぞ!こっちもお遊びしてるんじゃねぇよ!と言う。

神城は男に対して、武術の道場で拳銃をむやみに発砲する様な方は

殴るにも値しませんと言う。


すると神城が倒したもう一人の男が全力で神城に向かってくるが、

神城は攻撃をかわし、男の拳は拳銃を粉砕された男の頭に直撃するのだった・・・

男は道場の外へと吹っ飛んでいき、殴ろうとした男は神城に足をかけられ

その場で転び、頭を地面に直撃するのだった。


すると神城は、こんなやり方をしてまで、秩序を取り戻したいですか?と

誰かに言い放つのだった・・・

その言葉が放たれると、警官が道場の中に入ってきて、

全てはお見通しと言う事ですか・・・と言う。



すると次の瞬間、神城は警官の顔の前に拳を突き出すのだった・・・

警官は何の真似ですか?と言う。

神城はその言葉に対して、今のあなたも、そのならず者と同様

殴るに値しません・・・と言う。


その言葉を聞いた警官は、どっちにしろ、その二人は捕まる予定だったんです。

私のやり方は道を外れていましたが、あなたという人間がよくわかりました。

それに自分という人間もと言って、部下を呼び出し、

二人のならず者を縄に縛るのだった・・・


そして警官は警察署へ向かう最中、神城拳という男は、自分のためには

絶対に戦わない、かと言って、人が傷つけられても、進んで闘う事はない。

いや、神城拳という男に闘うという概念すら存在しないのかもしれない・・・と心の

中で呟くのだった・・・


その日の夜、神城は自分の部屋で窓を開けて夜空を見ていた。

そして神城は酒を飲むのだった・・・

美織はそんな神城に、少しは男らしい事してるじゃない!

夜空を見ながら酒を飲むなんて!とからかう。


一方、警官は警察署の中で、もしかしたら進んで闘うのではなく守る事こそが

私たちの本当の役目なのかもしれない・・・と言う。

神城によって、そう感じさせられた警官だったが、何者かが警察署に

侵入してくるのだった・・・


警官は、ここに何の用だ?!と言う。

すると侵入者は、警察ってのも俺らと所詮は変わらないじゃねぇかよ!と言って、

警官に噛み付くのだった・・・


すると警官は、あいつらの仲間か!と言う。

侵入者は正解!あいつらみたいな雑魚を助けるつもりはないけど、

建前って事で、お前には死んでもらうぜ!と言って、隠し持っていた

ナイフで腹を一突きするのだった・・・


そして次の朝、この警官は死体で発見されるのだった・・・

神城は警官の死体を見て、腰にかけてある拳銃に注目して、

その拳銃が動きすらしなかった事を察するのだった・・・

神城はある事を感じるのだった・・・



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