第1話:出会い-ファミレス
家からでた俺は腹が空いたのに気づき携帯で時間を確認する。
(16:37か…)
どうやら長い間寝ていたようだ。
俺は腹を満たすためファミレスを探し歩き出した。
(この街も変わったな…)
俺は歩きながらそんなことを考えていた。
俺は以前、この街に住んでいたことがあった。
と言うよりここは俺の生まれ故郷である。
親父はそのころ既にニューヨークで仕事をしていたが、俺とお袋はこの街で中二の秋まで暮らしていた。
「都心部だから仕方ないのかな……お?」
俺が独り言のように呟いていると、目の前にファミレスが見えてきた。
(こんなとこにファミレスなんてなかったもんな…)
俺はそこに入ることにした。
「いらっしゃいませ、お一人様で…⁉」
俺が店へ入ると笑顔が可愛らしい高校生くらいの女性が迎えてくれた。
その女性は俺の顔を見ると一瞬驚いたような顔をしたがすぐに元の笑顔に戻り
「お一人様ですね?お席へご案内いたします」
そう言って俺を席へと案内してくれた。
「ご注文がお決まりになりましたらそこのブザーでお申し付けください」
その女性はお辞儀をすると足早に去って行ってしまった。
俺はメニューに顔を通すと、カルボナーラを食べることに決めた。
俺がブザーを押すと先ほどの女性店員がやってきた。
「ご注文はお決まりでしょうか?」
「カルボナーラ、お願いします」
「かしこまりました、少々お待ちください」
女性店員はそう言うと、何か紙をテーブルの上に起き、厨房の方へ行ってしまった。
俺はその紙が気になり、開いて見ることにした。
そこには
『馬鹿っ‼18:00以降に電話しなさい‼』
と書かれており、その下に携帯番号とメールアドレスが小さく書かれていた。
(そーいえばあの女性前にどこかで…)
俺がそうこう考えているうちにカルボナーラが出来たようで運ばれてきた。
俺はそれをすぐに食べ終えると、店を出ることにした。