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強奪勇者物語  作者: ルスト
テラピア
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本格的に傭兵と戦いましょう

 ……私の目の前には黒こげになった傭兵が転がっています。まさか会話の途中でグリーダーが不意打ちをするとは思いませんでした。だって、普通こういう展開だったら正々堂々戦うよね!?


「無事に勝てれば手段など選ぶ必要ないわ!」

「手段はちゃんと選んでよ!」


 不意打ちで攻撃して倒すなんて想定外だよ……。


「ふはははは! 今のは効いたぞ!」

「って、えええ!? 耐えられてる!?」


 まさかグリーダーの攻撃を直撃させても耐えているなんて! 平然と立ち上がって来たよ! 黒こげだけど。


「だが、貴様らのような悪役風情にやられる私ではない!」

「何で私たちが悪役扱い!? ……まあ、いきなり不意打ちしてるしね……」


 でも、今の攻撃を耐える時点で相当強いよねこの人。


「不意打ちは効いたがもうその手は」

「エクスプロード!」

「何だとおおおおお!?」


 話している最中に大爆発魔法を食らって吹き飛んでしまいました。……って、また!?


「ふん。つまらんな。貴様のような雑魚は、前口上の最中に叩き潰してくれる!」

「不意打ちするたびに私たちの方が悪役みたいに見えてくるからやめようよ!」


 不意打ち連発で何もさせずに倒しちゃったら相手が可哀想になってくるもん!


「ぐはあ……なかなかの策士と見た……侮れんな……」

「くくく……どうだ。この女の考えた「不意打ち強襲戦法」の味は!」

「何で私が考えたことになってるの!?」


 私はむしろ正々堂々戦おうとしてるはずなんだけど!


「ええい! 卑怯者め! このササキが叩き潰してくれるわ!」

「何でそうなるの!?」


 私何もしてないのに!


「消えるがいいわ卑怯者!」


 言うなり槍を振り上げて地を這う衝撃波を出してきました。……って、当たるわけにはいかないよね! 避けないと!


「ぬう! 避けたか! ならば」

「よそ見してんじゃねえ!貴様の相手は俺だ!」


 私の方に無理やりこの傭兵の意識を向けさせてよそ見させたんだよね!?


「ロックスコール!」

「ぐがががががが!?」


 文字通り岩の雨が降って来て傭兵を岩の下敷きにしました。


「……甘いわ! このササキの正義の剣が、屈することなど無い!」

「それは剣じゃないよね!? どこからどうみても槍だよね!?」


 一瞬で岩を吹き飛ばして復活したり、槍を天に掲げて一見かっこいいけど、言っていることと持っている物が違うからね!?


「卑怯者め! 皆殺しだ!」


 そう言って相手が槍をこちらに向けた瞬間、謎の巨大レーザーに巻き込まれて私は吹き飛ばされました。


「って、何なのこの攻撃……!?」


 何の詠唱もせずにこんなレーザーを撃ってくるなんて聞いてないよ……。


「悪に正義の鉄槌を下したり! 悪ここに滅びたり!」


 ……あれ? グリーダーは?


「貴様も滅ぶのだ! この地と共にな! 絶望の彼方に消えるがいいわ!」

「ぬ!?」

「天も地も、跡形も残らず崩壊せよ!」


 ちょっと! 何を使う気か知らないけど多分私まで巻き添えになるよね!?


「くくく……そこの囮に攻撃と時間を費やしたのが貴様の敗因だ。その間に詠唱したこの魔術で葬ってくれよう。さらばだ傭兵よ! ダークネス・ブレイク!」

「誰が囮なの!? というか、勝手に囮にしないでよ!」


 直後、この辺り一帯に突然ヒビが入って崩壊し始めました。……あれ!? ……逃げ場ないよね!?


「降り注ぐ天の下敷きとなって息絶えるがいいわ! もしくは、崩壊する大地と共に奈落に落ちろ!」


 その直後、本当に空が崩れ落ちてきました。


「って、黙って見てるわけにはいかないよね! ファイアボール!」


 さすがに空の下敷きにはなりたくないのでファイアボールを崩れてきた空目がけて数発撃ちます。ファイアボールが端に当たった天井が角度を変え、角度を変えた天井に正面から当たったファイアボールが天井の落下位置をずらして私には当たらないようになって……あ。


「ぐおおおおおおお!? 俺まで天井に当たっただと!?」

「がはあっ!?」

「天井が落ちる場所がずれたからグリーダーごと潰しちゃった!」


 ……うっかりグリーダーまで天井の下敷きになっちゃったよ。


「ちっ! その辺の傭兵の分際で味な真似を!」

「くうっ! 卑怯な真似を!」


 ……天井に潰されても平気なんだね。どこまでタフなんだろあの二人。……そう言えば私、あのビーム食らったのに普通に生きてるし、動けるよね。


「くうっ! ここまで抵抗するか! ならば奥の手を使わせてもらおう! 出でよ、虚空より現れし英雄どものなりきりよ!」


 半分は不意打ちだし、最後の天井は奇襲も良いところで全然抵抗とは言わないような気がするけどね! というか、あんな小さな人形でどうやってその人になりきるのかな。


「くくく……このなりきりアトラムで貴様を叩き潰してくれるわ!」

「ほう、上等だ! 貴様が持つアイテム、根こそぎ奪ってくれよう!」


 どうやら第二ラウンドをするみたいだけど、その前にいいかな!?


「早く逃げないと地盤崩壊でそのまま二人とも奈落に落とされるからさっさと逃げたほうがいいと思うんだけど!?」

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