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強奪勇者物語  作者: ルスト
テラピア
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異界の傭兵を討伐しに行きましょう

 翌日、私達はクエストを受けるためにテラピアギルドを訪れました。グリーダー? 昨日宿に入った後実際に民家に強奪に行こうとしたのでとりあえずサンダーで眠らせて翌日まで縄で縛っておいたので大丈夫でした。


「……大丈夫な物か! 貴様、よくも俺の邪魔を!」

「普通ここは私があなたを怒る場面なんだけどね!」


 まあ、民家を襲わせることなく終われたので良かったと思います。でも、何で民家からの強奪にそこまでこだわるのかな……。


「決まっている。民家を襲った方が手っ取り早くて確実だからだ!」

「いくらなんでもその考えは不味いと思うよ!?」


 民家を襲う=山賊や強盗と同じだもん! さすがにそんな問題行動を見逃すわけにもいかないし!


「……どこかの国と戦争でもやらかさない物か……。そうしたら相手国の民家からいくらでも……」

「そこまでして民家からの強奪をしたいの!?」


 敵国の物資を奪い取るのは戦争なら常套手段なんだろうけど。でもそこまでして強奪にこだわるのもおかしいような……。


「何を言う。戦利品と一緒に町中の物資を巻き上げていくのはお約束だろう?」

「それが許されるのはよっぽどそこの治安が悪い時だけだよ!?」


 治安が悪いと警備もまともに出来ていないだろうし。


「そういう状況ならば警備なんざ金で釣ればいいだけなんだがな」

「そういう状況の所があったとしても普通は警備を金で釣るなんてしちゃ駄目なんだけどね!」


 でもまあ、やっちゃうんだろうな……。流石に警備が買収されちゃったら止めようがないけど。


「……それで、今日はどの依頼を受ける気だ?」

「そうだね……異界のなりきり傭兵討伐だっけ? あれを受けようかなと思う」


 異界とかなりきりとか気になるし。


「分かった。行くぞ!」


 異界のなりきり傭兵ってなんだろう。まあ、実際に見てみればわかるよね。






 ~テラピアギルド~






「ん? 今度は異界の傭兵討伐か?」

「はい。どこにこの傭兵は居るんですか?」


 まずは居場所を探さないといけないよね。


「ああ。確か、ここから北東の川のあたりに時折妙な空間が出来るんだよ。その時にそいつは現れるらしい」

「……何か明らかに普通じゃなさそう……」


 というか、請け負ってもその傭兵に会えるのかな?


「大丈夫だ。どうやらその空間は依頼を請け負った奴が近づいたら勝手に現れるらしいしな」

「何か色々と変わってるね……」

「ふっ……面白い。その空間に乗り込んで傭兵を叩き潰してやる」


 北東の川……。あれ? そんなところあったかな? この辺りは地下水脈はあるけど、でも川になっているところなんてなかったような……。


「空間が現れるのは北東の川だ。では、頑張れよ!」

「……まあ、依頼を受けたわけだから頑張るけど……」


 でも、この辺は辺り一面草原で川なんてなかったはずなんだけど。とりあえず探してみよう。




 ~テラピア平原~




「テラピアから北東に川があるって言ってたけど……川なんてどこにも無いよね?」

「辺り一面緑の原っぱだな」


 うーん……やっぱりそんな川どこにも無いよね。


「川が無いとはな。どうやらその傭兵は、こっちの実力に恐れをなして逃げたのだろうな!」

「いくらなんでもそんなはずは……」


 とはいっても、本当に川なんて見当たらないし……って、なにこれ!? 魔力!?


「何だ!?」

「光で……前が見えない……!」


 突然魔力を感じたかと思ったら目の前が光で真っ白になり、何も見えなくなりました。


「……収まったか。って、ここはどこだ!?」

「ええ!? さっきまで平原に居たのに周囲の風景が一変してるよ!?」


 さっきまでの平原の景色とは一変、私達はどこかの海岸に飛ばされていました。


「そ、空が……雲一つないのに真っ白なんて……」

「白い海だと!? 岩肌も、平原も、全部真っ白ではないか! どうなってやがる!?」


 飛ばされた場所は海も空も岩肌も全部真っ白な場所でした。……何なのこの場所……。


「現れよったな愚か者! この私の剣の技の前に沈むがいいわ!」

「誰!? というか、いったいどこから……!?」


 いつの間にか謎の男が背後に立っていました。金髪で鎧を着た槍使いです。……あれ? さっき剣の技って言わなかったっけこの人?


「私の事を知る必要など無い。何故なら、お前は、ここで消えるのだ! ムサシよ!」

「私ムサシじゃないんだけど!? というか、ムサシって誰!?」


 いきなり出てきていきなりムサシとか言われても意味分からないよ! ムサシって誰なの!?


「くだらん茶番劇は良い! 貴様が例の傭兵か。なら……」

「ぬ!?」

「この一撃でくたばるがいい! デモニックブラスター!」


 突然無数の黒いレーザーが次々に傭兵を貫いて……って、ええ!?


「ぐおおおおおおおお!?」

「ちょっと!? いきなり何してるの!?」


 いきなりグリーダーが不意打ちしちゃったよ!? いや、戦い方としては不意打ちは間違ってないんだけど、話している最中に何の前触れも無く襲いかかるのはどうなのかな!?


「勝てば一切問題ない!」

「勝つ前に手段考えようよ!」

「いくらなんでもこれは反則だよ! いきなり不意打ちするなんて!」

「大丈夫だ。問題ない」

「問題だからね!?」


 敵が話している最中に攻撃するなんて主人公のやることじゃないよね!?


「ぬう……! まだ終わらぬぞ……ムサシよ……! 私は倒れぬ。何度でも……」

「何度でも不意打ちしてくれよう!」

「ちゃんと正々堂々戦おうよ!」

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