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強奪勇者物語  作者: ルスト
テラピア
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今後の行動を決めましょう

「そうか……公園は跡形も無く吹き飛んだか……」

「ああ……あの化け物の攻撃で壊された」


 クエスト達成報告をするためにテラピアギルドに戻ってきたんだけど、さっそく嘘をつかないでよ! 半分事実だけどさ!


「まあ、あの化け物の討伐をしてくれたおかげで公園の再建は出来る。クエスト達成の報酬を払わせてもらおう」

「ありがとうございます」


 でもまあ、倒せたんだから報酬をもらっておいても良いよね? あんなドラゴンを倒すことになるとは思いもしなかったけど。


「さて……次のクエストは……と言いたいが、どうする?」

「今日はもう休むことにします」

「分かった」


 ふう。あんなドラゴンと戦わされるとは思ってなかったけど、何とかなって良かった。


「で、今日はもう休むのか?」

「当たり前だよ。……疲れた」


 主に当たったら確実に殺される威力の攻撃を避けまくる必要があったせいだけど。


「普段鍛えていないからそんな体たらくなのだ」

「鍛えてなかったらそもそもあの攻撃に当たって死んでたと思うんだけど!?」


 だって、ものすごい速さで遊具の破片や石や流れ弾が飛んでくるんだもん。反射的に避けられたのがある意味奇跡だよ。


「まあ、仮に当たっても次話になったら元通りだがな」

「いくらなんでもそれは無いよ!?」


 仮に元に戻ったとしても、劇のやられ役みたいに毎回叩き潰されて倒される→次話になったら何事も無く元通りなんて流れは嫌だよ!


「まあそれはいい。報酬は何だったんだ?」

「えっと……30000ゴールドみたい」

「……割に合わんな」

「公園や周囲を徹底的に破壊したんだから報酬が入るだけマシだよね!?」


 だって、本当なら環境破壊と器物破損、それによって生じる損害でこっちがお金を払わないといけないくらいだし!


「次は邪魔なく永遠に戦いたいくらいだが……」

「あんな危険な戦いは異世界で一人だけでやって!」


 もしこの人が今日のドラゴン討伐みたいな戦い方をしだしたら、この人もろともモンスターを倒そう。そうしないと、私がこの人にやられちゃいそうだよ。


「やれやれ……信用されていないな」

「信用以前に、グリーダーの流れ弾は全部私に直撃するコースだったよ!?」


 氷刃とかレーザーは軒並み私の居る方向に飛んできたし!


「何、戦場ではよくあることだ! 気にするほどのことでは無い!」

「気にするほどの事何だけど!? というか、流れ弾にさらされる身としては気にしないといけないんだけど!?」


 だって物語のように攻撃が味方には当たらないなんてことは無いんだもん! 普通に味方の攻撃だって当たるから魔法を使うのもかなり気を使うんだよ!?


「……そんなことで気を使う必要があるなどと……面倒だな……」

「面倒とかじゃなくてこれが普通だと思うよ!?」


 軍隊のように隊列を組んで一斉に同じ方向に向かって突撃すれば違うんだろうけど。


「まあ、その話は良い。いつまでここに滞在する気だ?」

「全然良くないよ!? ……実力を上げるためにも難易度5のクエストを達成した方が良いよね?」


 難易度5のクエストの敵を倒せれば実力にもつながるだろうし、魔王がどれだけ強いのかも分からないからね。


「それは同感だな」

「だから、行く先にあるクエストのうち、難易度5の討伐系を全部請け負っていこうと思うんだ」

「つまり、ここだと後3つか」

「そうだよ。難易度5は基本的に請け負う人も居ないから、余ってると思うしね」


 だって、難易度5のモンスターなんてかなり危険だもん。今日のドラゴンみたいに。


「まあ、そこでやられるようなら魔王討伐以前の問題だな」

「うん。だから、各地の難易度5のクエストを受けて実力を上げて、魔王に備える」


 ……居るかどうかは分からないけど、居るんだろうしね。


「まあ、その辺の雑魚より歯ごたえのある相手なら潰しがいもあるだろう」

「潰しがいを求めた結果逆に倒されるなんてのだけは絶対に止めてよね……」


 戦闘中に倒されたとしても、回復手段が無いんだし。


「仮に倒されても、ボトルの中の水をかけたり、鳥の尾羽を使ったり、葉っぱをすりつぶして飲ませればすぐに復活するだろ?」

「そんな方法で動けない人が復活するわけないでしょ!?」


 そんな方法で復活するなら魔物に襲われても死人なんて出ないよ!


「まあ、倒されることに細心の注意は払うとするか……。それで、今日はこの後宿で休むだけだよな?」

「そうだけど、それがどうかしたの?」


 回復薬品や食料は補給したし、何も要らないよね?


「何、せっかくだから余った時間を使って民家に押し入って強奪と洒落込むかと」

「だから押し入り強盗はしちゃ駄目だって言ってるでしょ!?」

「またしても邪魔するか! 貴様は夫の嫁に小言を言う姑か!?」

「何でそうなるの!?」

その晩……


「よし、さっそく民家を襲うか! あいつが寝ている隙にアイテムを回収してくるぜ!」






「……ん? 何? 今の声? 隣の部屋から聞こえたけど……。民家を襲う……って、何考えてるの!? 止めないと!」






 ~宿の外~


「ちょっと! いきなり何しようとしてるの!?」

「げ!? 貴様……起きていただと!? ……俺は、ただの見回りに出ているだけだ」

「じゃあ、何で覆面被ってハンマー持ってるのよ!」


 こんな時間に覆面被ってハンマーを持ってる時点でものすごく怪しいんだけど!


「ええい! 邪魔をするな! 俺はこの町のアイテム回収を」

「電撃くらって一晩中反省してろ! サンダー!」

「ぬおおおおおおおお!?」

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