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強奪勇者物語  作者: ルスト
テラピア
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蛇を討伐しましょう

 ルーチェです。蛇と言う名のドラゴン退治に向かいましたが、さっきからグリーダー一人で討伐対象のドラゴンとものすごい激戦を繰り広げてます。グリーダーやドラゴンの攻撃の余波でテラピア公園は完全に壊れてしまい、私はグリーダーやドラゴンによって弾き飛ばされた公園だった物や、避けられたために飛んできた攻撃の流れ弾を避けるのに必死ですけど!


「もう! 石が飛んで来たり光線が飛んで来たり滅茶苦茶だよ!」


 向こうは向こうでただ戦っているだけだから良いかもしれないけど、私はあのドラゴンに近づくことすらできないんだけど! というか、攻撃の流れ弾が当たらないように対処しないといけないんだけど!


「さあ、くたばるがいい! フリーズブレイバー!」


 グリーダーが斧を叩きつけた場所から氷刃が飛び出し真っ直ぐ突き進……って、氷刃がこっちに向かって来た! 避けないと!


「グオオオオオオ!」


 ドラゴンが尻尾で地面を薙ぐたびに公園の遊具だった物や砕けた地面、石などがこっちに飛んできます。って、鉄製の柵が飛んできたら流石に不味いよ!


「ファイアボール! ファイアウォール!」


 鉄柵をファイアボールで強引に溶かし、グリーダーの氷刃はその先に炎の壁を作って止めます。……もう、辺り一面攻撃の余波で滅茶苦茶になってるよ!


「ああもう! 一体どこまで暴れれば気がすむの! ……って、グリーダーもドラゴンも全くダメージを受けてる様子が無いよ!」


 よく見ると、小さな傷を互いに与えても傷が勝手に治っているみたいです。……両方とも再生能力があったら永遠に戦いが終わらなくない!? もし終わらなかったらこの場所の被害が凄いことになるよね!? 最悪テラピアにも被害が出るかもしれないし!


「ふはははは! そうだ! それでいい化け物よ! 永遠に俺と戦い続けろ! もっと俺を楽しませろ!」

「その化け物の討伐が目的なのに何言ってるの!?」


 驚異的な物欲だけじゃなく、バトルジャンキー体質持ちだったなんて……。しかも相手のドラゴンも回復しているからこのままだとグリーダーもあのドラゴンも永遠に戦い続けるだろうし……。


「永遠に楽しもうじゃないか! この瞬間をなあ!」

「さっさと討伐しないとこの辺の地形が攻撃の余波でどんどん大変なことになるからさっさと決着つけないといけないんだよ!?」


 ああもう! この人永遠に戦うなんて言ってるよ! そんなことになったらテラピアまで壊れちゃうかもしれないじゃん!


「グオオオオオオ!」

「そうだ! お前は俺とここで戦い続けるのだ! さあ来い強者よ! 永遠に切り結ぼうではないか!」


 また戦いを激化させてるよこの人! もうテラピア公園どころか周辺の平原も跡形が無くなってるのに、もっともっと戦いを長引かせる気満々だし! ……もう怒ったからね! お仕置きしてやる!


「周りを滅茶苦茶にしながら暴れるのも……」

「焼け死ぬがいい! ロールブレイズ!」

「グオオオオオ!」


「いい加減に……」

「さあ、また回復して俺と永遠に……ん?」

「グルル……!?」


「止めてくれるかな!? シャイニングレイン!」

「な……ぐおおおおおおおお!?」

「グガアアアア!?」


 光の雨を降らせて無理やり止めた……ううん、両方叩き潰した? ……これ以上好きにさせたら周りの被害がますます酷くなるし、止めるんだから仕方ないよね。


「ぐ……はあ……」

「グオオ……オ……」

「……はあ……初めからこうした方がよかったかな?」


 ……味方ごと打ち抜くのはどうかなって思って使わなかったけど、でもこれ以上放っておいたらテラピアの町まで被害が出るかもしれなかったし仕方ないよね!


「ふう……討伐終了。……周囲の被害も凄いことになったけどね……」

「何と酷い惨状だ。貴様の魔術のせいか?」

「どう考えてもグリーダーとそこのドラゴンが好き放題暴れたせいだけど!?」


 この期に及んで責任転嫁なんて冗談じゃないよ! 全く、もう……!


「……」

「ふう……。もうこいつも動かないよね。でも討伐の証明に首を落とさないと」

「……せっかくの強者が……貴様、何と言う事を……!」

「強者同士の争いがしたいなら他の国でしてくれるかな!?」


 あちこち滅茶苦茶だし、公園だった物はただの荒れ地になっちゃったし! 魔物討伐には成功したけど周辺の被害が凄い事になっちゃったよ!


「はあ……初めからグリーダーごとシャイニングレインで攻撃すればよかったかな……?」

「魔物の討伐のために味方ごと魔術で打ち抜くとは……なんて奴だ……」

「それはこっちの安全を一切考えずにドラゴンと戦闘していたグリーダーが言って良いセリフじゃないからね!?」


 光線や氷刃が次々にこっちに飛んできたし! 当たってたら間違いなく大変なことになってたもん!


「何、誤爆など良くあることだ。気にすることは無い」

「その誤爆のせいで私はグリーダーに殺されかけたんだけどね!」


 とりあえずドラゴンの首は落としたし、もうこれで大丈夫かな?……テラピア公園は跡形も無く消えてなくなっちゃったけど。でもこれでクエストは達成したよね! テラピアに戻ろう。

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