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強奪勇者物語  作者: ルスト
テラピア
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クエストを受けてみましょう

 テラピアギルドに来ました。ギルドの中には冒険者が結構居るみたいです。……でも、何故かここに居る冒険者の力量が低すぎる気がする……。


「ん? クエストを受けに来たのか?」


 テラピアギルドの受付に話しかけられました。この人も強面の大男……何ですけど、こっちの大男……グリーダーの方がやっぱり大きいです。威圧感も黒いオーラのおかげで負けないどころか勝ってるし。


「はい。何かクエストが届いていたら受けたいんですが」

「ああ、クエストなら山ほどあるぞ。何せ、低レベルの魔物討伐クエストや納品ばっかり受注する奴ばっかりで高レベルのクエストはほとんど手付かずだ」


 高レベルか……。まあ、この人が居ればまず負けないだろうけど。


「どんなクエストがあるんだ?」

「ああ、そこの壁を見てくれ」

「分かった」


 テラピアギルドの受け付けもなかなかに強面だからか、グリーダーを見ても全く威圧されてないなあ……。周囲の冒険者はこの人を見て少しおびえた様子だけど。慣れないと怖いからなあ……。


「ほら、そこでたむろしている連中。やることが無いなら高レベルの討伐クエストを受けないか?」


 さすがに初心者レベルの冒険者に高レベル討伐クエストは駄目だと思う……。案の定そそくさと出て行っちゃったし。


「何をしている、さっさと来い」

「あ、うん」


 強面大男の怖さのことなんか考えてないで私も行かないと。






 クエスト内容↓


蛇退治(難易度5)

魔物討伐(難易度5)

無念の紳士討伐(難易度5)

異界のなりきり傭兵討伐(難易度5)






 ……うん。見事に高難易度のクエストだけだね。5段階評価の5ばっかりだよ。というか、異界のなりきり傭兵や無念の紳士っていったい何!? 後、蛇退治が難易度5っておかしくないかな!?


「蛇退治を受注する」

「了解だ。場所は……と、その前に、名前と団体名を登録しないといけないな」


 あ、そう言えばそうだった。


「えっと、メンバーは現時点では二人。私がルーチェで、この人が……」

「グリーダーだ」

「了解。ルーチェとグリーダー……っと。で、団体名だが……」


 団体名……。やっぱり勇者? でもそれじゃ安直だし。


「正義の強盗団だな!」

「それは絶対駄目でしょ!?」


 強盗団なんて名乗ってる時点で駄目だよ!


「なら……ジャスティスローグでどうだ?」

「……えっと、どんな意味?」


 異界の言語かな?全然分からない……。


「正義の執行者だ」

「……本当にそれで意味合ってる?」


 何か言い方を変えただけで同じようなことを言ってそうな気がするよ……。


「ああ。もちろんだ」

「……じゃあ、それで」

「了解だ。繰り返すぞ、団体名はジャスティスローグ、メンバーはルーチェ、グリーダー。これで間違っていないな?」

「それで合ってます」


 これでギルド登録されるからクエストの受注も可能になるよね。じゃあ、改めて蛇退治に向かおうかな。


「……登録完了だ。ほら、カードを渡す。無くすなよ」

「はい」


 ギルド登録の証のカードも貰ったから、これで各地のクエストも受けられるようになったよね。


「よし。ならさっそくその蛇が居る場所を教えろ。俺とこいつでその蛇を叩き潰してきてやる」

「ああ。蛇の場所はここから南のテラピア公園だ。奴はずっと居座っていて誰もあの公園に近づけん」


 ええ!? 確かにテラピア公園は町の外だけど……でもなんでそんなところに蛇が出るの!? というか、こんなクエストが難易度5ってやっぱりおかしい気がするんだけど……。


「よし、すぐに行くぞ!」

「まあ、実際に行ってみないと蛇の脅威が分からないしね!」

「クエストの受注は確認した。頑張れよ!」


 さっそく蛇の退治に向かおう! 蛇一匹倒せないなんてことは無いだろうし、もし蛇にやられてるようじゃもし魔王が居たとしても勝てないだろうし! と言うわけで、私たちはすぐにテラピア公園に向かいました。テラピアの町から徒歩5分くらいの比較的近い場所です。






「って、何あれ!? テラピア公園の中に明らかにこの辺には生息していない魔物が居るんだけど!」

「ほう、あれが討伐対象の蛇か!」


 テラピア公園が見えてくると、中に明らかに大きな緑色の蛇が居ました。……というか、遠目で見ても明らかに体長6メートルはありそうだし、これはもう蛇ってレベルじゃないよね!?


「巨大蛇か! この斧の一撃で斬り捨ててくれるわ!」

「グオオオオオオオ!」


 グリーダーが斧を振り上げたのに対抗したのか、巨大蛇も体を持ち上げて威嚇の声をあげました。って、これはもう蛇じゃなくてドラゴンの一種なんじゃないかな!? だって短いけど腕がついてるし、口の中に牙がびっしり生えてるもん!


「さあ行くぞ巨大蛇! 貴様は、俺を少しは楽しませてくれるんだろうなあ!」

「って、ちょっと! ……もう突っ込んでいっちゃったよ! まだあれが何を仕掛けてくるのか分からないのに!」


 グリーダーは私よりずっと走るのも速いらしく、あっという間にドラゴンの所に到着して戦闘を始めてしまいました。私も加勢するため近づこうとしたけどグリーダーの放った攻撃やドラゴンの尻尾で破壊された物が流れ弾みたいにこっちにも飛んでくるから全くドラゴンに近づける気配が無いです。


「さあ、死合おうぜ化け物ぉ! 楽に死ぬことは俺が許さんぞ!」


 ……成り行きで同行してるけど、やっぱりこの人にはお供自体不要だったんじゃないかな?

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