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邂逅ー降りた立った魂

うん…?

ここはどこだろう?


僕は重たいまぶたを持ち上げて見た事の無いピカピカの天井をみる。


あれぇ?

確か僕は漫画を買おうとして、

家をでて、それから…


うん、

車にひかれた記憶しか無いや、


不愉快な大昔の思い出なんて思い出したくもないからね。


じゃあここは病院?

だとしたら窓の外から覗く二つの太陽の存在がとても気になるなぁ…


考えてもわからない物は考えるだけ無駄だよね?


それにしてもここは本当にどこだろう?


いや、

本当はわかってるんだ…


でもねぇ…

現実逃避してもいいじゃ無い!


はぁ…

と心の中でため息を吐いて目に手を…手を…


うーん…

詳しくは覚えていないけれど少なくとも僕の手はこんなモミジを彷彿とさせるぷにぷにな手では無かったと思う。


ヤバい…?

これは凄くヤバい…⁈


これは…

まさか僕は輪廻転生をしてしまったのだろうか?


何て事だ…


いや、まぁ、

太陽が二つ在る時点でまさかとは思ったよ?


でも僕が寝てる間に太陽が細胞分裂を起こしたのかもしれ無いじゃ無いか!


はぁ…

僕は宗教には興味無いから詳しくは知ら無いけれども輪廻転生は確か仏教の思想だ。


宗派にもよると思けど仏教の考えでは天国とは無い。


ヒトは死ぬと生前の行いによって別の世界…地獄に振り分けられる。


極楽浄土も地獄の一つ…

だったけ?


漫画での知識が120パーセントだからわかんない。


で、僕はそんな輪廻転生をしてしまったらしいです。


どうせ堕ちるなら極楽浄土が良かったよ…

少なくともこんな地球温暖化が激しそうな世界は嫌だから。


それにしても…

僕は自分を覆う柵を見た。


ベビーベット…

小さな手…


そして喋ろうと思っても舌が回ら無い…


どう考えても赤ん坊だね!


しかもまだ産まれてからそんなに時間が経って居無いって感じかな?


まったく!

親はなにをしてるんだろう?


こんな小さな赤ちゃん(僕)ほおっておいたら感染症になっちゃうじゃない⁈


予防接種受け無いとダメじゃあ無いか。


でも…


僕は改めて室内を見渡した、


とても現代的とは言えない部屋だねぇ…


少なくともテレビがおいて在る様には見え無いね、


天井には電球すら無い、

まぁ、

その代わり燭台は見つけたけどね、

こんなの映画でしか見たことないよ!


それでいておいて在る家具の殆どが木製だもの、

趣は在るかもしれ無いけれどいささか不便そうかな?


きっと僕の新しいお父さんとお母さんは偏屈ものなんだね。


窓から見える限りは周りには木しか見え無いし、


まさか世捨て人?


徒然草とか書いてたり?


そんな余りにもどうでもいい事を考えていた時、

突然僕の部屋の扉が開かれた。


ノックぐらいしてよ!

心臓が止まるかと思ったじゃ無いか⁈


僕の心の中の叫びをガン無視してくれた来訪者…


部屋に入って来たのは厳つい顔をした30代ぐらいと思わしき男性、


ま、まさか…

外人さん?


この英語5評価2の僕に新しい言語を覚えよと言うのか⁈


「ふん、目が覚めて居たのか、相変わらず泣か無いとは気味が悪いな」


おいから、

なんつった、


口に薄ら笑いを浮かべてすごーくバカにされた感じだ、


それよか意味が分かった事に驚きだよ!


「やはり所詮妾の子か、まぁ良い、お前に使い魔をやる」


とってもツッコミどころ満載な言葉を一方的にいって来たおじさんが僕に何か投げてよこして来た。


どさりと音をたてて落ちたそれは…

カラス…だよね?

この真っ黒いの。


ってかおじさん居無い⁈

帰っちゃった?

これどうするのかわかん無いけど⁈


使い魔とか言われても困るんですけど⁈


僕は混乱したまま枕の横に落ちて来たカラスを見た。


カラスはその真っ黒い瞳で僕の顔を覗き込むと…


“よろしく、小さなご主人様”


よぅし、

落ち着け僕よ、


今の頭に直接響く様な声はきっとこのカラスが言ったんだ、

だから自分の頭を疑っては行け無い。


“よろしく、小さなカラスさん”


僕はあの声が僕の生み出した幻で無い事を密かに祈りながらカラスさんに声に出せ無い分、

心で思った。


すると…


“あら、この歳で意思の疎通ができるなんてびっくり!”


うん、

僕もカラスが意思の疎通を行うなんてびっくりだよ。


“まぁイイワ、契約しましょ?”


うん、

何がどう良いのかわかんない、

ってか契約って何だ?


“どゆこと?”


またまたカラスさんは目を丸くした、

器用だね。


“契約を知らない?貴方変わってるわね⁈”


テレパシー使ってくるカラスに言われたく無いや、


“いい?契約ってのは使い魔と主とを明確に区別するためのすんばらしい儀式よ!”


ほうほう、

すんばらしい儀式ですか、


取り合えずここはあえて使い魔の部分に触れ無いでおこう。


“どうやるの?”


“簡単よ、名前つけてくれるだけでいいの”


へぇー

確かに簡単だ、

それで居てとっても難しい。


だって僕ネーミングセンス無いもん。


“あ、因みに私の種族は『クロウ』ね”


ッチ!


僕が言おうとしたのは種族名かよ?


う~ん…

だったらここはフランス語で…

みたいな感じで行きたいんだけれども…


知ってるわけが無い、

僕のフランス語のイメージなんてラ、とかレ、とかがついてるよね?

って感じだもん。


じゃあここは大人しく日本語で…


“『カラス』は?”


“猛烈に却下、何が悲しくて異国の種族名で呼ばれなきゃ成ら無いのよ”


ですよねー、

じゃあ言葉遊びで…


からす、

一文字ずらして

きりせ、


“『キリセ』はどうだい?”


“却下、私の母さんとおんなじ名前だわ”


誰だパクったの、

でてこい。


うーん…

じゃあ更に遊んで…


きを抜いて、

せに濁点をつけて…


“『リゼ』は?”


どうだ!

これでダメとか言われたら泣くしか無いね!


“『リゼ』かぁ~…うん!気に入った、良いよ!これで契約成立ね!”


ほ…

良かった。


今更だけど横文字にこだわる必要無かったよね…?


南無阿弥陀仏、過ぎた時は帰ら無い。





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