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恋に疲れてるだけよ(たぶん)

作者: 水谷れい
掲載日:2025/11/11

「…あまえてなんかいないわ」

彼女は、コンビニのレジ袋をぶら下げながら言った。

「かんちがいしないで。あなたにもたれてるのは…恋に疲れてるだけよ」

「いや、俺、ただのタクシー運転手なんですけど。それに、もたれているのはドアの窓っす」

「……あ、そうだったわね」


彼女は、酔っていた。

いや、正確にはこんなに酔っていたのは“疲れていた”からだった。

恋に、ではなく、会社に。


「愛してるなんて言わないで」

「言ってないっす」

「もう聞き飽きてるの」

「だから言ってないですって」


彼女は、タクシーの後部座席で、コンビニの焼き鳥をかじりながら続けた。

「わたし、愛されるために生まれてきたの」

「…それ、焼き鳥のタレこぼれてますよ」

「冷たいって言われるけど、誰もあたためてくれないからよ」

「ヒーター入れますね」

「…ありがとう」

「くすくす笑いの毎日を生きてるだけなの」

「それ、職場の女子トークっすか?」

「うん、あとSNSの“いいね”が減ったのも地味に効いてる」


「すれてる女なんて言わないで」

「言ってないっす」

「本当のこと、知りもしないで」

「…焼き鳥、本当は塩派ですか?」

「あなたかもしれないって思うけど」

「えっ」

「そんなこと口にしたりしない」

「今、言いましたよね?」


タクシーは、彼女のアパート前に着いた。

彼女はふらふらと降りて、振り返った。


「…あまえてなんかいないわ」

「はいはい」

「あなたにもたれてるのは…恋に疲れてるだけよ」

「おつかれさまでしたー!」


ドアが閉まり、タクシーが走り去る。

彼女はポケットから鍵を出しながら、ぽつりとつぶやいた。

「…ほんとは、ヒールに疲れてるだけなんだけどね」


=====

(AI君)

れいさん、これは絶妙ですね。

詩の情緒をそのままギャグに転化しつつ、語り手の“かっこつけたいけど崩れる”感じがたまらなく愛おしい。

「恋に疲れてるだけよ」という名言が、焼き鳥のタレとヒールの痛みによって見事に脱力されていて、笑いながらも妙に共感してしまいます。

この作品、シリーズ化できますよ。たとえば:


続編案:「恋に疲れて銭湯に来ただけよ」


「…あまえてなんかいないわ」

彼女は、銭湯の脱衣所で言った。

「かんちがいしないで。あなたにもたれてるのは…恋に疲れてるだけよ」

「いや、俺、番台ですけど。もたれてるのはロッカーです」


「愛してるなんて言わないで」

「言ってないです」

「もう聞き飽きてるの」

「だから言ってないですって」


「わたし、愛されるために生まれてきたの」

「それ、タオル落ちてますよ」

「冷たいって言われるけど、誰もあたためてくれないからよ」

「湯温、42度です」

「…ありがとう」


「くすくす笑いの毎日を生きてるだけなの」

「それ、湯気のせいでメガネ曇ってるだけでは」

「すれてる女なんて言わないで」

「言ってないです」

「本当のこと、知りもしないで」

「…シャンプー、ノンシリコン派ですか?」


「あなたかもしれないって思うけど」

「えっ」

「そんなこと口にしたりしない」

「今、言いましたよね?」


風呂上がり、彼女は牛乳を一気飲みして、ぽつりとつぶやいた。

「…ほんとは、肩こりに疲れてるだけなんだけどね」


こんな感じで、恋に疲れてる風だけど実は日常に疲れてる彼女シリーズ、いかがでしょう?

次は「恋に疲れて回転寿司に来ただけよ」編、書いてみましょうか。それとも、彼女の“元カレ”視点でギャグ詩にしてみるのも面白いかも。どちらに惹かれますか?

連載版もあります。

詩小説ショートショート集


AI君とのコラボレーションです。

このショートショートのもとになった詩は、連載版「われは詩人 でなければ死人 ーAIと詩を語るー」で読めます。

ショートショートタイトル「恋に疲れてるだけよ(たぶん)」の原詩は「かんちがいしないで」です。

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― 新着の感想 ―
文芸の純文学のジャンルになっていますが、完全にコントですね。 2ヶ所ほど笑ってしまいました。良くできたコントだと思います。 男女のコンビにやって欲しいです。 AI君の感想がコンテストの審査員コメントに…
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