表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/24

第5話:群れ襲来と代償の兆し



夜の街は妙に静かだった。

颯太はコンビニ帰りの人々を横目に歩く。

普通の人間には“見えない”はずの異形が、じわじわと通りを埋め尽くしていくのを、颯太だけが見ていた。


――影から這い出る無数の怪物。

四つん這いの異形、笑う顔だけの塊、腕だけの亡霊。

数にして十を超える。


「……マジかよ……こんなに一度に」


腰ベルトが囁く。

『ククク……群れだ……血肉と恐怖の群れだ……全部カードに還せ……』


背筋が凍るほどの囁きに、颯太は震えながらもカードを構える。



---


群れ戦開始


――《カード・イン!クローモード!》

白虎のアーマーが颯太の体を包み、鋭い爪が雨の夜に煌めく。


最初の敵を切り裂くと、その体は煙のように崩れ、無地のカードが浮かぶ。

バックルに吸い込まれた瞬間、颯太の視界に文字が浮かぶ。


――【特殊能力:影足】


「……速さが増すのか……!」


次の敵に対抗するため、颯太はカードを引き抜き、再度挿入する。


――《カード・イン!ファングモード!》

狼のアーマーが装着され、颯太の速度が一気に跳ね上がる。

「はぁっ!」

爪と牙を駆使して、群れを次々と斬り伏せていく。


だが――数が多すぎる。

斬っても斬っても湧いてくる。



---


影モードと吸収能力


「……なら……!」

――《カード・イン!影モード!》


漆黒に包まれ、颯太は影と同化するように敵の背後へ回る。

その動きは、先ほど吸収した“影足”によってさらに速くなっていた。


颯太は背後から一気に三体を切り裂く。

群れは次々にカード化され、バックルに吸い込まれていく。



---


必殺技:シャドウファングブレイク


残った群れを前に、颯太は叫ぶ。

「……まとめて終わらせる!」


三枚のカードを同時に挿入する。


――《クローモード、ファングモード、影モード……コンバイン!》

――《必殺……シャドウファングブレイク!》


虎の爪、狼の牙、アサシンの影。

三体の召喚獣が現れ、颯太に力を宿す。

光と闇の刃が群れを一閃――。


十を超える怪物が絶叫しながら霧散し、全ての無地カードがベルトに収束していった。



---


力の代償


戦いの後、颯太は路地に片膝をついた。

息が荒い。手が震える。

まるで体の一部を削り取られるような虚脱感。


腰ベルトの囁きが、愉悦に満ちて響く。

『ククク……代償を感じたか? 力とは甘美で、残酷だ……』


颯太は苦しげに笑う。

「……それでも……俺は守る……。この街の人を……」


夜の雨が、彼の決意を静かに包み込んでいた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ